内容説明
貧しさと身分差別のなかで、常に自らの道を切り開いて生きようと努力した明治の女・一葉。その生涯をたどりながら、文学者としての成長と、時代との格闘の姿を映しだす。
目次
1 身のふる衣 まきのいち―「萩の舎」入門
2 家は貧に身はつたなし―樋口家の人々
3 ものつつみの君―屈折するこころ
4 小説のことに従事しはじめて―小説家志願
5 かく迄も心合ふことのあやしさよ―半井桃水と『武蔵野』
6 文学は糊口のためならず―生活と文学の間で
7 新生涯をむかへて旧生涯をすてん―龍泉寺町に住んで
8 おもふ事は捨てがたく我身はかよはし―塵の中のたたかい
9 わがこころざしは国家の大本にあり―再び文筆生活へ
10 我れは女なりけるものを―晩年の一葉