内容説明
この著書は、ミナマタをたたかう女性の被害者、医療従事者、弁護士、支援活動家にスポットを当てた。水俣病の運動が、一部のグループの暴力行動を口実にしての、不当な非難、攻撃にめげず前進してきた背景には、被害者運動にしても、その運動を日常不断に支えた医療従事者にしても、女性の果たした大きなエネルギーがあった。彼女らは、水俣病のために5回、10回の流死産の悲しみを体験した。幸いに生をうけた子も、生まれながらに水俣病を宿命づけられた胎児性水俣病であった。そして、病苦のために離婚され、子どもとの離別も強いられた。板井の12年間の診療日記、丸山の20年間にわたる取材メモには、愛する子や肉親を奪われ、人間の尊厳をふみにじられた女性たちの訴えが満ちている。
目次
1 女たちのミナマタ
2 愛しき子よふるさとよ―被害者の証言
3 燃える想いを力に(医師として、母として;ミナマタの灯として―水俣協立病院の原点;水俣病で死んだ父とともに;ニューヨーク、国連への旅;太陽はまた昇る;「県外患者」の救済をめざして―スモンから水俣へ)
4 水俣病問題のいま、これから(歴史的な転換点を迎えたミナマタ―運動の到達点と教訓;水俣病の底辺―慢性期におけるメチル水銀の地域ぐるみ汚染と認定処分の実態)
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