古事記―不思議な1300年史

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  • サイズ B6判/ページ数 176p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784404041869
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0021

内容説明

誰が古事記を読んだのか。『日本書紀』との違いは?本居宣長以前は誰も知らなかった?皇国史観のもとで間違って理解されていた?―謎に包まれた、その歴史に迫る。

目次

第1章 『古事記』成立の深層(『古事記』はなぜ作られたのか;『古事記』は偽書なのか)
第2章 平安時代に『古事記』はどう読まれたか(平安時代の「日本紀講」と『古事記』;日本紀講の現場から「偽書説」を考える)
第3章 中世の『古事記』受容の現場へ(真福寺と伊勢神宮の『古事記』;卜部氏たちと「中世日本紀」)
第4章 本居宣長、登場(江戸文化のなかの『古事記』;本居宣長『古事記伝』の世界)
第5章 『古事記』の近代・現代史(チェンバレンとラフカディオ・ハーンの『古事記』;近・現代の『古事記』受容の可能性)

著者等紹介

斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年生まれ。宗教学者、神話学者。日本大学大学院博士課程満期退学。佛教大学歴史学部教授。専攻は神話・伝承学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

7
古事記の読まれ方について。戦後の二人の論者に注目。マルクス主義の立場から石母田正が「古代貴族の英雄時代」を発表。古事記の歌謡に注目し、天皇制以前の「われ」という英雄的個人が共同体の人々と一体となり歴史を切り開いていく姿を読み取る。その後の石母田の歴史研究は日本共産党の文化活動の一翼を担う形で展開されていくという。西郷信綱は『古事記の世界』などで、構造主義的神話学を応用し、中心/周辺、聖/俗、善/悪、秩序/混沌といった二元的に対応する言語範疇を見出し、その変容が独自の神代の物語を生み出していったと説く。2020/07/31

yahiro

1
古事記そのものではなく、古事記が「どのように読まれてきたのか」を記すちょっと特殊な本。本居宣長などは有名だが、古事記についての周辺事情がわかった。2014/08/15

maox.0915

0
本書は、古事記が日本の歴史の中でどのような位置付けでどのように読まれてきたのかを知る良い機会となった。 古事記が読まれた時代背景についても書かれているため、歴史を学ぶにも良いきっかけになるのではないか。2017/09/05

S‐tora

0
◎ 本居宣長と「古事記」の関連がツイッターで話題になっていたので読んでみた。 「古事記」の成立から現代まで、どのように受容され解釈されてきたのかを概観する本。 「古事記」と「日本書紀」が日本人の思想に与えてきた影響がよくわかる。2017/05/29

Punk!Punk!Punk!

0
同時期に史書が二編編まれる。依頼者はどちらも天武天皇。編者は古事記が太安万侶、日本書紀は舎人親王他。古事記は私的、日本書紀は公的。それ故に正史として古事記は取り上げられず、密文書的な扱い、更には偽書として見られる事もある。本書はそうした古事記を2012年の古事記編纂1300年の年に上梓し、どのような読まれ方をされて来たかを平安から現代まで辿っていく。時代時代で古事記に求められる役割があり、その役割を担うことで現代まで正史にはない書物が読み継がれて来た。史書の面白さは、時として書物が歴史を担う事にある。2015/01/12

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