内容説明
世界に君臨するローマ帝国には名君も多く存在したが、並外れた暴君も多かった。淫蕩のかぎりを尽くしたカリグラ、母殺しのネロ、虐殺に次ぐ虐殺を演じたカラカラ…彼らは皆、人々の怨嗟の声にまみれながら非業の最期を遂げた。これだけの悲劇を繰り返しながら、なぜ帝国は揺るぎもせず存続しえたのか?古代最強国家の偉大なる「愚帝」の所業と、暴君とともに歩む帝国の実像を描いた一冊。
目次
プロローグ 死後に裁かれるローマ皇帝
第1章 帝国に君臨するローマ皇帝
第2章 淫蕩帝カリグラ
第3章 芸人帝ネロ
第4章 冷酷帝ドミティアヌス
第5章 剣闘士帝コンモドゥス
第6章 残虐帝カラカラ
第7章 背徳帝エラガバルス
エピローグ 愚帝にも揺るがぬローマ
著者等紹介
新保良明[シンポヨシアキ]
1958年長野県生まれ。東北大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士前期課程修了。博士(文学)。国立長野工業高等専門学校教授、文部科学省教科書調査官を経て、東京都市大学共通教育部教授。専門は古代ローマ史、特に帝政期の官僚制と都市に関心を寄せている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
5
古代ローマ皇帝の中から6人の愚帝(カリグラ、ネロなど)を主として前後の時代背景も含めて紹介し、最後にこんな愚帝が皇帝になってもなぜ滅びなかったかを解説してくれている。恐怖政治だけどあくまでも上層部のみで民衆にばら撒きをしてるから人気があったりする。元老院600人と小さな政府だったから末端(都市)にはあまり影響を及ぼなかったのはなるほどなあと思いました。2016/07/03
ふくろう
4
人間はシステムとその環境によってその性格を決定づけられる、ということがわかる。確かに愚帝は愚かで残虐ではあったが、彼らを残虐にしたのは恐れ、恐怖、猜疑心であり、それは彼らの親や帝国制度が関係している。ただうまれつき残虐非道で人非人であったという書き方より、こちらの方が興味がわく。2014/06/23
紗々姫
3
今日ゼミで終わりました。面白かったです。教科書では絶対教えてくれないことばかりだったので衝撃受けたりしましたが、読んで良かった。エピローグの最後の文にはグッときました。民衆・兵士・元老院、この3つの視点から見たら、全然別な見方ができるんだと勉強になりました。ローマはやっぱ興味深い。2012/07/20
碧月
2
大学の先生に「一般の人に向けたローマの本を読む」という課題で借りた本。授業ではスエトニウスの『皇帝伝』を読んでいるけど、愚帝の描かれかたに違いが。スエトニウスでは愚帝は「生まれつき残虐」という書かれ方をしているのに対して、この本ではローマの皇帝制度にも欠陥があったとしている。そして、皇帝が残虐でもローマが滅びなかった理由とは。あーこの本でレポート書かなきゃなぁ。2012/11/23
トミーチェ
1
図書館本。以前読んだ本の文庫化。内容はローマ皇帝のダメな方に特化した人々の紹介、有名どころばかりなので目新しいエピソードなどあるはずもないが、愚帝たちとはこんなにも奔放で自分に正直に生き、そのツケを自分や周囲の命であがなったのかと興味深い。直接被害が及ばない範囲から眺める分には、愚帝ほど個性豊かで面白い存在はないと思う。勿論、過去の存在だからこそ、見て笑えるのだけれど。2015/07/13




