内容説明
「足るを知り、これで十分だと満足する」「老荘」の教えからいまの自分のあり方を考える。
目次
第1部 老荘思想とは?(老荘と儒教;老荘思想と現代社会の関わり)
第2部 『老子』を読む(老〓(たん)と『老子』
「道」の思想
処世の思想
政治の思想)
第3部 『荘子』を読む(荘周と『荘子』;逍遙遊;斉物論)
著者等紹介
金谷治[カナヤオサム]
1920年、三重県生まれ。1944年、東北大学法文学部卒業。元追手門学院大学名誉教授、元東北大学名誉教授。文学博士。2006年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ピンガペンギン
23
紙書籍の値段が高騰しているので電子版で。カルチャーセンターでの講座の内容がもとで、柔らかい語り口調で教えてくれる。古典なので、道しるべとなってくれる人が必要だ。この金谷先生(1920-2006)の語り口は、魅力的で説得力あるものだと感じた。老子は「自然界の一物として、無知無欲になってその本質にたちかえることが人間の幸せである」と考えた。「無知」に、すでに心理的に抵抗感はあり。荘子は読み物として一級品の面白さ。ただ読んでいるうちに、生きていくうえでこの考え方は役に立つだろうか?という独り言も。→2024/07/17
aiken
16
2014年の本。老荘思想の基本的なところを話ことばで書かれた本。たいへんわかりやすく、これから読み下し文やもっと詳細な解説本が読みたくなった。「無用の用」、「胡蝶の夢」など有名な話も分かりやすく解説してくれている。いいオジサンにとっては達観の極みというところで、仙人を目指す者にとってこの上なく心地よかった。「道(タオ)」の世界をもっと知りたくなり、東洋哲学の先見性にますます感服する。目指せ大鵬、一飛び九万里。空も海もまっ青だ。が、同時に、こうやってたから東洋の自然哲学はお留守になったのかなあとも感じた。2022/02/16
キリ
3
裏道の思想と書かれている通り、表芸である儒家思想とセットで扱わないとダメな感じがする。それとは別に道教とのつながりをもう少し把握したい。2014/11/18
キリ
2
タイトル通り老子と莊子を解説した本。マジで書き下し文を和訳する形で本文が進むので概説を期待すると肩透かしを食らう。漢文が苦手だけど老荘思想に興味がある、という学生向けではないかと思う。底本が少し古いのでそこだけ注意が必要。2014/11/11
ちゅん
1
大学の講義を聞いている、講義をそのまま本にしたような感じだな~と思って読んでいたが、本当に、どこかでの講義を元に書かれたものとの事。易しい解説なんだろうけれど、一度読んだだけではさっぱりわからなかった。ただ、わからないなりに興味は増したので、老子も荘子も、また機をみて読みたい。2023/05/18