20世紀イギリス小説個性派セレクション<br> 孤独の部屋

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20世紀イギリス小説個性派セレクション
孤独の部屋

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  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784404040039
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

著者等紹介

ハミルトン,パトリック[ハミルトン,パトリック]
1904‐1962年。イギリスの小説家、劇作家

北川依子[キタガワヨリコ]
1967年生まれ。東京工業大学外国語研究教育センター准教授。専門はイギリス小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ケイ

126
作者の文才と、訳者の言葉選びの冴え。「ロンドンはうずくまる怪物。どんな怪物でも息をせずには生きられないからロンドンもこっそり有害な呼吸をしている…毎朝有象無象の男女が怪物のうっ血した巨大な肺に吸い込まれ…」冒頭からこれだもの。時は1943年末のロンドンの郊外。戦時下だが、郊外ではまだどこか牧歌的で、しかしそこでの鬱屈した暮らしは心の歪みをうみ出す。狭い世界で起こる、心がささくれだった女性同士の心の対立。男性作家がそれをなんと巧みに描いていることか。作者のハミルトンは、映画「ガス燈」の戯曲家2021/02/17

藤月はな(灯れ松明の火)

29
戦時中に身を寄せ合っていた中年達。ところがうら若くて少し、下品なドイツ人女性と軽佻浮薄なアメリカ中尉が下宿先にやってきたときから蓄積されていた些細な軋轢は表面化することとなる・・・・。齢を取っても精神年齢は餓鬼な大人や当てつけがましい善意に見せかけた悪意を潜ませる女や鈍感な大人も今も居る。特に問題に巻き込まれると過剰に人間関係やその機微に反応して自殺か相手を殺すかの一歩手前になっても、離れてみると物事を静観視できるようになったミス・ローチの心境が情緒不安定時と重なってとても共感していました^^;2013/05/28

猫のゆり

6
真面目で自分の信念をしっかりと持った女性が、周囲の困った人たちとの軋轢にあれこれ思い悩む姿を描いた地味な小説で、はまらない人には全然はまらないだろうなと・・。事件という事件も起こらない。が、私にはとても面白かった(笑)。背景には第二次世界大戦があり、そこに異分子として入ってくるアメリカ軍中尉とドイツ人女性・・。時には激しく憎んだり、苛立ちを覚えたりするんだけど、後になると冷静になって自分を省みるミス・ローチが素敵だった。シリアスな場面でもちらほら笑いがちりばめられているところも良かった。2011/05/28

AR読書記録

5
まず思ったこと、孤独万歳。他人の心のなかを見通すことはできないし、他人の行動をそう簡単に変えさせることもできないし、できるのはあれこれ想像して悶々として自分をもて余し、自分が嫌になることだけ... というふうに思うかどうかは、人それぞれなんだろうかナー。わたしはそんなふうに思っちゃったので、つまりなかなかイヤな読書であった。特にスウェイツ氏、あれは物語上あそこまで強烈なキャラである必要があっただろうか。ちょっと物語を通り越して、著者の意地悪さが嫌いになったよ。2014/08/15

けいと

5
第二次世界大戦中のロンドンって、案外のどかだったのかな~なんて読み進めていくと全部が戦争に絡め取られていく。ロンドンの下宿って料理も掃除も使用人がやってくれて優雅でいいな、ちょっと住んでみたいなと思ったりもした。だけど、人間関係が濃密なので主人公ミスローチのようないじめられやすい人だとストレスたまりそう。どこの国でもどんな時代でもいざこざはあるのね~。身近に感じられてすごくすごく面白かった。装丁が地味だからといって敬遠しては損ですよ~!!2011/06/27

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