内容説明
飛鳥時代の七世紀後半から奈良時代の八世紀後半にかけて編まれた最古の和歌集、『万葉集』。天皇・皇族、公家、官人や民衆の、そして全国津々浦々の老若男女の詠んだ歌約四五〇〇が集められている。次々におこる天皇・皇族をめぐる政治的事件、官人の出世事情、大伴家持や柿本人麻呂ら歴史に名をとどめた人びとの実像、文学サロンのようす、宮都の有り様から、古代の人々の恋愛事情、食事や薬、占いの方法、ことわざ・格言に言葉の発音等々まで、“喜怒哀楽”が率直に表わされた万葉歌とその歌の背景から様々な謎を明らかにしてゆく。「古代」という時代を身近に感じることができる一冊。
目次
第1章 万葉歌人をめぐる謎(『万葉集』はいつ成立したのか;『万葉集』という名前にはどのような意味がこめられているのか ほか)
第2章 万葉の歌をめぐる謎(万葉びとの聖地観は、どのようなものだったか;なぜ、額田王は三輪山の歌を詠んだのか ほか)
第3章 万葉びとの生活をめぐる謎(都大路の並木には何が植えられていたか;杉・槇・樟・桧の用途はどうやって決まったのか ほか)
第4章 万葉の成立・享受をめぐる謎(『万葉集』は、ほんとうに日本人が書いたものなのか;『万葉集』と『古今集』とはどう関わっているのか ほか)
著者等紹介
松尾光[マツオヒカル]
1948年、東京都生まれ。学習院大学大学院博士課程単位修了。博士(史学)。高岡市万葉歴史館、姫路文学館、奈良県立万葉文化館勤務を経て、鶴見大学・早稲田大学非常勤講師、万葉古代学研究所名誉研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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