内容説明
二〇〇五年六月十二日、一人の老女が東京九段下の交差点で死亡する。死因はトリカブト中毒。他殺か自殺かをめぐって、麹町署の新米美人刑事と頑固オヤジの部長刑事コンビによる捜査が開始され、やがて六十年前に秋田県で起きた事件にたどり着く…。日本の敗戦直前、花岡鉱山で中国人強制連行労働者が一斉蜂起した花岡事件―戦争中、ほとんどの国民が知らなかったこの事件は戦後、風化し、人々の記憶からも消え去った。現在と過去を交錯させながら事件の核心を追い、圧倒される迫力で描く長篇ミステリーの問題作。
著者等紹介
北上秋彦[キタカミアキヒコ]
1950年、岩手県生まれ。盛岡市内で広告代理店勤務後、83年より生損保代理店を経営するかたわら、作家を志す。97年、人類史上最大の謀略を描いた『種の終焉』で長編デビュー。2004年、第3回北東文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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