内容説明
鳥肌が立つほどおいしい幻のシジミ、北島康介のメンチカツ、手放す古本の“読み供養”、老母が遺したホワイト・デーのプレゼントなどなど、直木賞作家で古書店主の著者が、平成の世相を背景に日々のよしなしごとをつづった、「昭和」のエスプリ漂う百二十九の掌篇。
目次
読む楽しみ、書くよろこび(わが家のヌカ床の系譜;年賀状のコンクール ほか)
本のしあわせ(昔の人の年賀状;お金で床が抜けた ほか)
三十年目のお礼参り(戌年のお犬様;竹内浩三を思う ほか)
蝉とコオロギ(「柿箸」の使い初め;ワンワンパトロール ほか)
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。作家、古書店主。73年より古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、翌年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
石川さん
2
何年か連載が続いた日経新聞でのエッセイ集。夫婦二人暮しの穏やかな日常を描いたものが多くほんわかした雰囲気。特に大きな事件がなかった日の天声人語とかのコラムに内容が近いかも。著者の年齢(60代)からくる抹香臭さい感じも含めて。あと、私、キャスターとか作家とかが政治家や官僚を揶揄する時に「我々庶民の感覚では想像がつかない」とか言うのを聞くとダメなんですよね。我々?庶民?はぁ…ってなっちゃうんです。でも、桜桃忌の出来事を書いた「桜桃と蕎麦」はとってもよかった!乙女シジミってタイトルもいいですよね!2012/03/27
うな坊
1
読んだ記憶があるものもあり、「再読か? おれも呆けてきたか」と思ったが、読んだと思える部分がまだらだから、新聞連載時に読んだのだろう。 いつもながら、安心して読める作家。2013/07/23
ミガーいち
0
気楽に読めた。星22015/10/17
三井寿里
0
昭和が香る、平成初期のエッセイ集。数年前、本庄まなみが男装で演じたドラマ「おんな飛脚人」を観て、面白そうだと原作を読んだのが、作者との出逢いでした。この方のエッセイを読んだのは初めてですが、小説に通じるものがありますね。乙女シジミ、どんな味なのか味わってみたい!2019/02/21
-
- 和書
- 光の王 ハヤカワ文庫