内容説明
動乱の幕末を生きぬき維新の栄光を手にした功労者の陰で、多くのすぐれた人材が、志なかばで斃れた。なかでも吉田稔麿は傑出した大器として、その早すぎる死が惜しまれている。長州藩の軽輩出身の稔麿は、幕長融和という独自の道を開こうと、ひたむきに行動し、「維新を一年遅らせた」といわれる池田屋騒動で、ついに幕末の“主役”に躍りでることなく、二十四年の短い生涯を終える…。志士たちと密議中に新選組に急襲された稔麿。その最期は、事変の真相とともに、元治元年(一八六四)六月五日、乱刃ひらめく池田屋の暗闇の中にいまなお閉ざされている。
目次
師と弟子
草莽奇策
攘夷
東風密話
真説池田屋騒動
稔麿余事
吉田稔麿年譜
著者等紹介
冨成博[トミナリヒロシ]
1937年、山口県生まれ。作家。九州大学工学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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