内容説明
満洲帝国の興亡および石原莞爾・甘粕正彦の思想と行動を高度成長という視座から読み解く松本健一と佐野眞一の対談、石原莞爾の人生の軌跡を明らかにする「石原莞爾の生涯」、わずか五カ月で満洲全土を占領した戦闘を追跡する「ドキュメント満洲事変」、“文化創造・謎の機関・満蒙の日本女性”という視点から満洲国に迫った「満洲の実像」、満洲国に夢を賭けた人びとの波乱の半生を描いた「満洲をめぐる群像」、満洲のさまざまな疑問に答える「満洲と日本の歴史」等々を掲載。
目次
第1章 特集対談 満洲帝国の二人の帝王―石原莞爾と甘粕正彦の思想と行動(松本健一;佐野眞一)
第2章 石原莞爾の生涯
第3章 「満洲と日本の歴史」を知る一問一答
第4章 ドキュメント満洲事変
第5章 「夢と野望の大帝国」満洲の実像
第6章 満洲をめぐる群像
第7章 最新研究満洲帝国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
自然堂
1
題名からは石原莞爾を中心として満州国を分析する著書のようだが、石原莞爾についてはそこまで掘り下げられている訳ではない。満州国について概説的に知るには十分な入門書だと思うが問題も多い。まず、本の構成自体が良くない為に内容が解り難くなっている。後ろから読んで行った方が理解し易いくらいだ。また、明らかに掘り下げが足らず誤解を与えるような内容になっている部分も見受けられる。誰とは言わないが、太平洋戦争の終戦を1950年と表記していたのは閉口した。とはいえ、全体的な評価で言えば読んでおいても損はない一冊である。2010/03/01
tkokon
0
【自由研究】満洲は中国人から見れば「植民地」であるはずなのに、なぜ大連では反日感情を殆ど感じないのか。なぜこんなにも、日本人の作った街並みがきれいに残されているのか。満洲について語る日本人が持っている「わくわく感」の正体は何なのか。満洲には他の地には無い特別な魅力があったのだろう。その手がかりを探るために読んだ。2012/02/23