新人物文庫<br> 春マタギ

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新人物文庫
春マタギ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 351p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784404038005
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「熊よ、われに授かってくれ!」朋輩の喜助と羚羊狩に出かけた半蔵は、突如現われた巨熊に襲われ、喜助は殺され半蔵も傷を負った。「そやつは穴もたずに違えねえ。おめえや喜助の手に負える相手じゃねえんだ」と言った祖父にも死なれ、天涯孤独となった半蔵は、マタギ仲間からもはずされた。喜助の無念も晴らせぬままに五年の歳月が過ぎたある日、狼撃ちで生計を立てていた半蔵に、南部藩の御野馬別当から熊退治の命が下る。山に入った半蔵の目の前に、あの「穴もたず」がふたたび姿を見せた…。獣たちの命をいただいて暮らす宿業を負い、厳しい自然と山の掟に生きる、誇り高きマタギたちの物語。

著者等紹介

葉治英哉[ハジエイサイ]
1928年青森県生まれ。青森師範学校本科中退後、法政大学文学部日本文学科卒業。89年に第37回地上文学賞、94年に第1回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

59
1110冊目はクマ本で飾りたくて手にするも、マタギの日常風景がメインで、クマの出番が少なかった。穴もたずの大熊と聞いて胸が高鳴ったが、一メートル五十センチの百五十キロって、小熊じゃなくて?読み間違いかと何度も確かめてしまった。猟のシーンも緊迫感はなく、淡々とあっさりしている。クマほぼ無抵抗。うおおおん!最初は物足りなく感じたものの、思慮深い若き統領の成長を穏やかに見守れてよかった。2018/09/14

Aiichiro Nakajima

22
松本清張賞受賞作家、初読み。 季節的にはずれましたが古風な東北の言い回しで昔の熊猟について勉強できた気がします。 2017/05/21

のぼる

19
「邂逅の森」を読んでいるので、淡々とそれほど大きな盛り上がりもなく進むストーリーには、少し物足りなさを感じたのも事実であるが、登場人物たちの人間味のある温かさからか、不思議な魅力を感じる作品だった。2017/01/31

フミ

18
「松平容保」での、情報の細かさに好感を持って、同作者様のマタギ(集団で熊を狩る人)ものを読んでみました。舞台は江戸時代の南部藩(青森県・三戸近く)、トラブルからマタギ→牧場の狼退治に転向していた男が、またマタギに戻り、仲間達と山に向かう感じです。 他、中盤では「出回った『偽の熊胆(たん)』の出所を探す」とかで、三陸辺りまで追跡ものをやったりします。 江戸時代の男ばかり集団なので、下品な会話などもポンポン出て来ますが、「山の神」を信仰するマタギの風習などが、とても丁寧に描かれていて、興味深かったです。2025/03/26

F

4
まず作者の独特なリズムについていくのに一苦労、第一回松本清張賞を受賞している作家だが、その際井上ひさしが「やや生硬」と評したがあまり変わっていないようだ。設定がかぶるのでどうしても同じくマタギもの「邂逅の森」が浮かぶが、比べると重厚感、緊張感、それにストーリーの盛り上がりにも欠ける。新知識も無い。ただ、どこかユーモラスな登場人物たちが、その人生を謳歌せんと奔走する様には自然と口元が緩む。2010/02/02

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