内容説明
愛娘を人質にとられ、将軍足利尊氏の風歯(虫歯)を治すように命じられた医師丹波兼康の苦悩とその治療の顛末を描く異色の力作。表題作の続編「舌強」「緊唇」を収録。第32回歴史文学賞受賞作。
著者等紹介
賀名生岳[アノウタケシ]
本名・勝見秀雄。昭和22年、新潟県新潟市生まれ。新潟大学歯学部卒。元歯科医。日本ペンクラブ会員。日本文藝家協会会員。大衆文学研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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韓信
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日本史上初の歯科医といわれる丹波兼康が、足利尊氏の虫歯治療をきっかけに南北朝間の陰謀に巻き込まれる異色の歴史医療サスペンス小説。尊氏を筆頭に南北朝時代の大物が毎回患者として登場して陰謀に絡んでいく筋は工夫されているし、著者が元歯科医なだけに歯科治療描写も緻密。物語の展開や描写に粗さが目立つが、素材が新鮮なので一読の価値あり。名医ではなく家庭も崩壊している、公私ともにズタボロだった兼康が陰謀に立ち向かうことで医者として再生し、息子との絆も取り戻していくという現代的な物語でもあるので意外ととっつきやすい。2017/01/12
さりー
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足利尊氏の虫歯治療。詰めものでの治療。甘いものが高価なもの。なかに出てくる薬草と効能がリズムをつくっている2014/10/23
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