内容説明
主従関係、武士の誇り、朱子学、男色、排除された者への慰霊・鎮魂…なぜ御家騒動は起きたのか、歴史上の意義を明らかにしながら、日本型社会の組織のルーツともなる藩の事情を解き明かす。
目次
伊達騒動―一門の藩政介入
井伊家騒動―藩士七十六名追放・帰参事件
榊原騒動―榊原政岑の不行跡
加賀騒動―八家を軸に騒動を再考する
蜂須賀家騒動―重喜の改革をめぐる君臣抗争
仙石騒動―幕府が介入した最後の御家騒動
お遊羅騒動―事件の首謀者は誰か?
鍋島猫騒動―御家騒動の物語化と怪異性
終論 御家騒動からみた近世社会
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年生まれ。東京都立大学人文学部准教授・首都大学東京大学院人文科学研究科准教授兼任。福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。博士(文学・九州大学)。日本近世政治史・史料学を専攻。人物、事件、史料の読み込みから幕藩制社会の形成・発展研究に、新視点を開拓している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
5
ひとつひとつ、面白い話ばかりです。面白いと言っては失礼かもしれませんが、類型化できないばらばらな御家騒動と、幕府のさまざまな対応が興味深い。時の将軍の判断もあるのでしょうが、大藩を事あらばつぶそうと鵜の目鷹の目であった訳ではない、という解説の話を踏まえて見てみると、大藩というものは閨閥で他の大藩や幕閣、そして将軍家そのものにまで太い絆を持っていることが多い。幕府につけ込まれても受け流せるように政治的な基盤を持っていた、とは。なるほどねぇ、こんな研究をする世界もあったのか。2010/09/23
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