内容説明
人形浄瑠璃、歌舞伎、講談など、文芸の世界で華々しく演じられる御家騒動。勧善懲悪、怪異の物語だけではない、武士の意地、儒教的礼節、男色のしがらみをも視野に入れ、御家騒動に新たな光をあてる。
目次
序論 御家騒動とはなにか
蒲生騒動―絶え間のない御家騒動
黒田騒動―寛永期における出頭人と家老
柳川一件―大名家からの独立を試みた重臣
相良騒動―出頭人政治から職制確立へ
南部騒動―新史料から暴君重直像を読み直す
内藤家の御小姓騒動―近世前期の譜代藩における家中対立
越後騒動―幕政・家臣団の視点を含めた再検討
柳沢騒動―まぼろしの御家騒動
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年生まれ。東京都立大学人文学部准教授・首都大学東京大学院人文科学研究科准教授兼任。福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。博士(文学・九州大学)。日本近世政治史・史料学を専攻。人物、事件、史料の読み込みから幕藩制社会の形成・発展研究に、新視点を開拓している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
4
かつて編者・福田千鶴さんは、幕藩制的秩序と御家騒動 (校倉書房 1999) 御家騒動 大名家を揺るがした権力闘争 (中公新書 2005) の二冊の著作によって、ある程度の研究成果を示したのですが、御家とか騒動とか、その引き金になったものとかその原因とか、まだまだ解決できない難問があると考え、この上下二巻の本によってその課題を整理してみたのだそうです。 この本では、福田千鶴さんはいろいろなお家騒動の記録の一部も書いていますが、主な役割としては編集者として全体を統括しています。2010/09/23