内容説明
二両一人扶持という微禄の笠間藩士の四男に生まれた小野友五郎。数学の才能を認められ、幕府の天文方、そして長崎海軍伝習所一期生として西洋数学と航海術を習得。航海長として咸臨丸に乗り組み、アメリカへ。幕末の傑出したテクノクラートを描く渾身の書き下ろし歴史長篇。
著者等紹介
鳴海風[ナルミフウ]
本名原嶋茂。昭和28年、新潟県生まれ。平成2年、「五厘の魂」等で第20回池内祥三文学奨励賞受賞。平成4年、「円周率を計算した男」で第16回歴史文学賞受賞。日本文芸家協会会員。新鷹会会員。現在、(株)デンソー勤務
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感想・レビュー
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きいろ
17
江戸後期の読み物は、攘夷派側 倒幕派側からのものばかり読んでいたので この時代に幕府結構がんばってるじゃないか〜‼︎な驚きを感じながら読んだ。下巻どうなるのかなー。。2014/11/16
ソババッケ
2
幕末の算学の天才、小野友五郎の活躍を描く。上巻は少年時代から咸臨丸で米国へ航海してくるまでを描いている。常陸、笠間藩8万石、牧野家の最下級の家臣、俸禄3両2人扶持(年収6両余)から、その才能を買われ、咸臨丸の測量方兼運用方(航海長)を務めるまでになる。これまで、咸臨丸での航海は、勝海舟や福沢諭吉がらみの小説で知り得ていたが、この本ほど正確にかつ、感動的に描いた物語は初めて。時代が人を育てるのか、本人の才能が時代を変えていくのか。おそらくその両方であろうが・・・。久しぶりの一気読み。★4.02012/06/21
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