内容説明
女帝の時代陰で女帝を操ったひとりの女がいた!犬番の娘から己の才覚一つで、位人臣を極めた後宮女官・橘三千代。初めて描かれる橘三千代の愛と野望の生涯!『百枚の定家』につづいて俊英が書き下ろす渾身の歴史巨篇。
著者等紹介
梓沢要[アズサワカナメ]
本名・永田道子。昭和28年、静岡県に生まれる。明治大学文学部史学地理学科卒業。平成6年、『喜娘(きじょう)』で第18回歴史文学賞受賞。著書に『阿修羅』『喜娘』『百枚の定家』『遊部』等がある
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感想・レビュー
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keith
13
「四神の旗」の予習。県犬養三千代の少女期から始まる物語。不比等は後の方で出てきます。2020/06/13
KIYO
4
2017年年明け初の読了本です。後に藤原不比等の妻、文武天皇の乳母、聖武天皇妃光明子の母というすごい経歴の県犬養三千代のお話です。上巻は文武天皇即位あたりまでですが、読みやすくわかりやすい本です。2017/01/07
Mana
4
唐衣を読んでなかなか良かった作家さんが橘三千代の本を出していると知って図書館で借りてきました。橘三千代は持統天皇の息子草壁皇子の息子の文武天皇の乳母。天上の虹でも後半メインキャラとして出てきてたけど、大人になってからなので前半の少女時代とか実家の県犬養一族についてとかが良かった。 最初は普通の女の子だったのにだんだん野心が出てきていて、最後の方は結構策謀家になってた。何か切欠があったわけではなく、ごく自然な流れでなっていたので読み進めてる間は違和感がなかったんだけど、気がついたら随分変わってしまった。2016/06/25
モルク
4
ずいぶん前に黒岩重吾さんや杉本苑子さんの平安ものにはまったことがあった。梓澤さんは初読みだが、読みやすく説明もわかりやすい。ただ、この時代の人々の名前は読みも難しくなかなか覚えられない。血縁者との婚姻も多いので相関図も複雑だ。このところをなんとかクリア出来れば、面白い時代なので広く読んでもらえるのだが…。さて、下巻も楽しみだ。2015/05/23
真理そら
3
「阿修羅」の前の世代の物語。三千代がキャリアウーマンとしてどのように生きたかという話。光明子が悲田院を作る経緯なども描かれている。三千代が娘を「石」扱いしたことで光明子も覚悟が決まったのだろうか。2017/06/16