内容説明
蝦夷地はなぜ「北海道」になったのか。幕末の激動の時代にただひとりアイヌの人々を敬愛し、アイヌの惨状に心痛した北方探検家・松浦武四郎の激動の生涯を描く著者渾身の歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウミノアメ
2
幕末期に6回に渡り蝦夷地を探検し、随一の蝦夷通となり、貴重な文化資料を残した松浦武四郎の生涯を、幕末期の時代の波とともに丁寧に書き上げられている。 松浦武四郎はアイヌの人々とアイヌ語で会話し、絶大な信頼を得た。そして、当時の北海道にいた和人商人、役人が私腹を肥やすために、奴隷のように扱い、掠奪、蹂躙されたアイヌの嘆きを直に聞き取り、憤っている。 アイヌが受けた迫害事実はとても興味深い。松浦武四郎の書いた「近世蝦夷人物伝」読んでみたい。2023/10/29
マサ
1
収奪されるアイヌへの温かいまなざし。幕末の動乱の中で天下国家よりも人の幸せを願う姿に心を打たれる。2017/07/27
yamakujira
1
ルポルタージュの要素が濃い小説。松浦武四郎の偉業をえがく。アイヌにそそぐあたたかなまなざしは、武四郎の先進的な思考を思わせる。武四郎の手腕を生かせなかった明治政府の器量が知れる。近代史の中で忘れてはいけない人物だと思う。 (★★★★☆)
ラオニ
0
「国を相手に北海道の重要性を説く。」幕末、明治の時代にあって本当に難しかったのだろうと思う。2016/06/27
のんち
0
肝腎の、明治維新後の北海道に関する貢献に関する記載が乏しかった2018/07/03