内容説明
本書は、鎌倉を舞台にした三浦一族対北条一族の確執を中心に、鎌倉武士とその時代を浮きぼりにし、また都市鎌倉の実態を最新の発掘成果を基に考えた中世を知る必読の書。
目次
序の章 中世都市鎌倉
第1章 鎌倉武士の成立と活躍―頼朝時代
第2章 鎌倉武士の明暗―執権政治時代
終の章 鎌倉陥落―北条氏滅亡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
17
鎌倉武士を周辺の平地を支配してた北條、扇状地の中腹である丹沢周辺の波多野氏、海だいすきな三浦にわけて、ざっくりとと前書きにあったけど、あんまそこらへんは記述もなく。北条氏が源頼義の妻に娘をいれて、政子以前に密接な関係を結んでいたというのは知らなかった。1063年に鎌倉を北條から譲られて、八幡宮を建立したとのことで、鎌倉に思い入れが以前からあったのではとのこと。…他消えていく鎌倉殿の13人のありようはいつも通り。M子は私にとって欧州情勢よりも複雑怪奇。なむなむ。2021/05/16
ナハナハ
0
鎌倉武士の代表として北条氏と三浦氏を軸に鎌倉前中期を中心に記述されている。タイトルから都市機能の話に集中するのかと思ったが、随所で出てくるものの北条vs三浦の分析が主な内容だった。時頼以降は駆け足で和田合戦あたりまでの記述が厚い。と言っても論文ほどは固くなく少しずつ読み進められた。都市機能としての記述で始まり、都市機能(軍事機能)の記述で終わるあたりは筆者の面目躍如と感じた。 しかし、北条に続くNo.2の武士が悉く滅びていくのに同じことが繰り返されるのは空しいような悲しいような複雑な気分にさせられる。2023/01/29