内容説明
日本推理サスペンス大賞受賞の著者が“本所七不思議”を題材に、江戸の下町に住む人々の人情と哀歓をミステリータッチで描く連作時代小説集。
目次
片葉の芦
送り提灯
置いてけ堀
落葉なしの椎
馬鹿囃子
足洗い屋敷
消えずの行灯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美登利
79
初ものがたりをオススメいただいて、そこから同じ茂七親分が出てくるこの本を知りました。表紙絵は違うけれどAmazonで詳細を見ると借りた本と同じ新人物往来社の本ですね。江戸の女性たち、ほとんどが奉公人であり豊かな暮らしとは無関係な女たちが主人公の短編集です。身寄りがなく幼い頃から1日中働き満足な暮らしが出来なくとも、その日食事が取れ眠る場所があれば何とか生きていける。この時代の女性たちの逞しさを改めて感じます。見守る温かい眼差しもあり、助けてくれる人もいて。私も時代ものが少し好きになってきたようです!2017/02/06
ミーママ
43
図書館の本📚 宮部みゆきの初期の時代小説。 「片葉の芦」が良かった‼️ 時代小説も面白い。いろいろ読んでみたい。 2019-822019/11/10
さよちゃん
36
図書館本。7話の短篇集で、とても読みやすいです。「方葉の芦」で籐兵衛おとっつぁんがまだ幼いお園ちゃん達兄妹に「生きていく事」とか「商い」の厳しさ、難しさを教え、人を助けるのに恵むことは、恵む方は気分良くても、恵まれた人間を駄目にする‥。なるほど!と思った。どの話も心に響きます。やっぱりハマります。不思議物語に‥(´▽`)2013/09/23
星落秋風五丈原
16
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だとい う噂が流れたが。幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続け た職人がことの真相を探る「片葉の芦」。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参 りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など深川七不 思議を題材に下町人情の世界を描く7編。1991年吉川英治文学新人賞受賞作。1991/05/15
ツキノ
10
これは読んだかも、と読んでみたら読んでいなかった…平成4年吉川英治文学新人賞受賞作品。どの短編も、出てくる女性たちのさまざまな境遇やおもいが響いてくる。「人間は、笑った時とぼうっとしているときに本性が出る」という名言もあり。2013/09/06