内容説明
裕福な実業家ヒューバート卿の別荘に招かれた元英国軍大尉のカーティス。気乗りしないパーティーへの参加にはある狙いがあった。自分の指を吹き飛ばし、大切な友人の命を奪った欠陥銃事件の真相を暴くという目的が。パーティーで出会った詩人、ダ・シルヴァもまた別の目的で屋敷を調べていた。ともに行動するうち、カーティスは彼の奇妙な振る舞いの裏に隠された鋭い感性に気づき惹かれてゆく―。20世紀初頭の英国北部を舞台に繰り広げられる、冒険ロマンス。
著者等紹介
チャールズ,KJ.[チャールズ,KJ.] [Charles,KJ.]
ロンドン在住。著書は主に英国が舞台の歴史ロマンス小説で、大部分がクイアージャンル、そこに時折ホラーやファンタジーがまぶされている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くたくた
66
「イングランドを想え」という詩的な、もしくは知的な印象のタイトルに心惹かれてポチ。で・・・!!「イングランドを想え」ってそーゆーことかよ!(爆) いえいえ大変面白うございました。直情で正義漢の元軍人カーティスとポルトガル系ユダヤ人で詩人のダ・シルヴァの冒険活劇です。正直ですぐに顔にでるカーティスが完全にシルヴァに手玉にとられております。シルヴァに誘惑されて(からかわれて)赤面してだらだら冷や汗かいてるのが可愛い。重い読書の合間の箸休め的にも良いです。レディの二人組も良い感じ。次作への引きも良いですね。 2022/02/27
RIN
14
「イングランドを想え」とは実に意味深。一体誰の言葉なのだろう。とある目的の為に潜り込んだ実業家ヒューバート卿の別邸パーティー。偶然出逢ったカーティスとダニエルは、反目しながらも互いの目的の為に協力関係を結ぶ。同性愛者には二年の禁固刑が処される時代、徐々に惹かれ合いながらも相手を想い必死に予防線を張るダニエルが切なかった。ヒューバート家の連中には相応の苦痛を伴った制裁を期待したのに、最後はあまりにも呆気ない。急に出てきたプレストンは何だったのか。この世には乞う愛もあれば命ずる愛もある。幸せならば何でもいい。2022/04/10
beniko
10
銃の暴発事件で負傷した元大尉のカーティスは事件の真相を暴くため別荘パーティに参加。そこで出会ったダ・シルヴァは見掛けの印象とは違い秘密捜査官で、最初は彼を嫌っていたカーティスは事件解決のために協働するうちに彼の魅力に気付き惹かれ合う。後半カーティスの為に身を引こうとするダ・シルヴァが切なかった。悪役も含め人物が魅力的。1900年代初頭の英国の雰囲気や外国物らしい会話も楽しく、孤立無援の状況、底の知れぬ穴のある洞窟など、恋愛以上にハラハラドキドキした。どんでん返しに満足。恋人になった二人の今後が気になる。2020/08/20
きなこチロル
10
20世紀初めのロンドン郊外を舞台にあるパーティーに呼ばれた元軍人カーティスと詩人のダ・シルヴァは目的が違えども利害が一致して一緒に事件の真相を探る。カーティスはお堅いと思ったけど、実直な方でダ・シルヴァという人を知ろうとしててよかった。事件を追う時、カーティスがヘマしないか心配したけど、なんかかわいいよね。でもやる時はやります!ダ・シルヴァは強かで掴み所がないけど、時折見せる臆病なところが印象的。続きがあるのなら、読みたい〜実感が湧かないけど階級って厄介なのね。2020/07/12
Tommy
5
次の日も早いのに、夜中まで夢中になって読んでしまった…。モノクローム文庫、毎回読み始めは情報過多に?となるけど、読み進めると面白すぎて止まらなくなるんだよなぁ。最後の最後で続編への伏線がある感じがしたけど、続きはあるんだろうか?だとしたら読みたい!!!2020/08/26