内容説明
FBIの元同僚で恋人のタッカーと過ごしていたエリオットは、深夜実家焼失の知らせで叩き起こされた。火事は放火だった。父・ローランドには回顧録の出版をやめろという脅迫が来ていたという。エリオットはローランドを家に避難させるが、散歩中をクロスボウで狙われる―。タッカーは珍しく携帯の電源を切り、家に帰ってこなかった。彼は何かを隠している…。待望の「フェア・ゲーム」続編!!
著者等紹介
ラニヨン,ジョシュ[ラニヨン,ジョシュ] [Lanyon,Josh]
ゲイ・ミステリ作家。複数の受賞歴を持ち、十年以上もジャンルの先端を走り続けている。ゲイ小説ジャンルからスタートし、M/Mジャンルを牽引して流れを作ってきた作家の一人。ミステリからアクションまで幅広く執筆
冬斗亜紀[フユトアキ]
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感想・レビュー
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くたくた
57
ううむ面白かった。濡れ場を抜いたとしてもミステリ・バディ物として十分イケる。今回はかつてタッカーを棄てた母が登場し、タッカーの孤独の一端が判明。一方でエリオットの方は、父の若かりし頃の因縁に巻き込まれて。とはいえなにがあっても愛しあい信頼し合うエリオット父子の姿は、タッカーを寂しくはしなかったか?それを表には出さず、正面から敢然と向き合うタッカーに、エリオットならずとも心を奪われるよ。いや、いいねえコレ。人を信頼するとは、というシンプルな命題に頭でっかちにどろどろと取り組むエリオットよ、とりあえず頑張れ!2022/02/10
ちゃりんこママ
44
1960年代のベトナム反戦運動がどんなものだったか、主人公エリオットの父ローランドを通して語られる、中々興味深いミステリー。破天荒な父親に翻弄されるエリオットとタッカーの関係もグラグラしますが、「2階で」話すと仲直り…♪ナスのキャセロールが2度も出てくるけど、作者さん人気のキャセロール鍋ルクルーゼ(高いっ!)を愛用してんのかな?なんて余計な事まで興味津々…2017/01/20
モルテン
24
膝を撃たれ、FBIを引退して現在大学で歴史を教えているエリオットと、彼の元同僚(現FBI捜査官)のタッカー。エリオットの父の家が放火され、犯人を捜すことに──。/エリオットは前作のツンツンに比べて、なんとデレるようになったことか。それもこれも、タッカーが率直に想いや気持を伝えるからなんだろうなあ、とニヤニヤ。お話は、1960年代のアメリカの文化の一端が感じられて興味深かった。アメリカでは、あの時代の学生運動は今現在どのように捉えられているのだろう。生活を共にすることにまだ不器用な二人。次作も期待です。2017/01/17
しましまこ
24
まさかの続編、前作うろ覚え。今度はエリオットの父の危機に加え、タッカーの過去や前作の事件が後を引いてたりでハラハラするんだけど、エリオットのツンツンにも程がある態度の方が心臓に悪いよ。タッカーはストレートに愛を語っとるのに、何でそうなの~!!と幾度心の中で叫んだことか。とは言え愛はたくさん、そこかしこに!良かった~。2017/01/11
ぐうぐう
22
『フェア・ゲーム』続編。大学で「映画と歴史ーアメリカ西部」の講義を受け持つエリオットは、学生から「歴史っていうのも、ただの物語でしょう?」と言われ、ムキになって反論する。そんな自分を俯瞰し、自分が学生だった頃、父と衝突していたことを思い出す。その父が若かりし頃の事件が、続編の柱となる。ベトナム反戦運動。これもまた、歴史だ。とはいえ、読者の興味は、そのような主題よりも、エリオットとタッカーの恋情にこそある。(つづく)2017/03/01