内容説明
西荻窪の居酒屋・鳥八のカウンターで出会った、作家とその校正者。まさかの恋に落ち、日々喧嘩をしながらも互いを思い、人を愛することの意味を知った二人。そんな大吾と正祐は、紆余曲折を経て、互いに生涯の伴侶であろうとする。「結婚」という道を選んだ二人は、大切な周囲の人たちにそれを伝えていくことにするが…。書き下ろし「色悪作家と校正者の祝言」も収録した、心にしみ込むシリーズ完結巻!!
著者等紹介
菅野彰[スガノアキラ]
2月2日生まれ。水瓶座・O型。小説家・エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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beniko
11
シリーズ完結。心に染み入る名作でした。大吾と正祐が結婚を決意。周囲の人への報告、家族への報告、籍、住居のことなど、結婚の過程が丁寧に描かれていて、一つ一つを通して、二人がまた自分たちのことを知り、周囲の人と繋がり、生涯の伴侶としての絆をより深くする様に感動した。シリーズ中での言葉や出来事を思い出させるエピソードや会話あり、関わってきた人たちもほぼ全員登場しての大団円。ふんわりと全員が理解者になって、とならないところもまた最高でした。電子版で続編となる番外編があってよかった。名残惜しい。愛と人生の名著。2024/06/30
きょん
7
大吾さんの母は、たとえ彼が男児を産んだお嫁さんを連れてきたとしても、毒義母になりそうだと思って読んでたら、あとがきにまさに作者様が書いていらして意図したように読んでいたのだと妙に納得。2025/05/29
京子@オランダ
2
どんな関係になってもお互いの口調が堅苦しい!読みづらい!って思ってたんだけど、もうここまでくるとそうじゃないほうが落ち着かなくなってきてるw そんな全部が大団円ってわけにはいかないけど、みんなお幸せに! 電子だと私はおそらくは読めないけど幸せがつづいていきますように! 名残惜しいのでもう一回最初から読み直してきます2024/07/06
せんく
2
良い祝言でした。鳥八のカウンターで始まった物語が、こうして結ばれて(勝手に)感無量。でも歳時記でその後が読める、と知ってるからこその晴れ晴れしさでもあります。2024/05/11
ゆ
1
いや、感無量。これに尽きます。 思うことはあまりに多く、ひとつひとつ挙げればきりがありません。誰かの優しさを、誰かの厳しさを、正しさ誤りを間断なく見つめるような、まさに人生のような1冊でした。この先にも痛みや闇が訪うでしょうが、どうか彼らの得難い幸せが見失われることがなければいいと、今はただ祈るように、信じるように想います。いい最終巻でした。2024/11/30