内容説明
若くしてIT関連会社の代表を務める伊崎は、ビジネスの師であり、十年以上憧れて追い続けた恋人でもある各務と辛い別れをしたばかり。しばらく恋はしたくないと思っていたある日、居酒屋で相席になったことが縁で近所に住む安原と飲み友達になる。安原は肩の力の抜けた穏やかな性格で、かなり年上であること以外好みとは程遠い。気楽な付き合いを心地よく感じていた伊崎だけれど…?「嫌いな男」スピンオフ!!
著者等紹介
安西リカ[アンザイリカ]
6月15日生まれ。双子座・B型。小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きょん
16
『嫌いな男』スピン。前作で長年の不倫を清算した筈の伊崎が近所の居酒屋で年上の穏やかの安原と出会い、自然に惹かれて行く過程が微笑ましい。安原さんも一見普通のオジサンぽく描写されてるけど、学生結婚後離婚した娘の学費をきちんと負担しつつ、元妻の研究者としての将来性を犠牲にしたのではないかという罪悪感をちゃんと感じていたり、伊崎君を受け止める人間的な器の大きさだったり、やはり普通じゃないいい男なんだよね。2023/10/09
beniko
8
「嫌いな男」スピンオフ。向井の友人・伊崎が主人公。華やかでやり手でずるいけど魅力的な各務のような男と付き合っていた頃の伊崎なら、安原とは出会うことすらなかっただろう。新しい出会い、新しい付き合い方で、先に恋愛とは違うところで人間関係を深められたからこそ「お互いに相手が自分にとっての唯一の例外」になれたんだろうな。10年以上切れなかった相手を吹っ切る辛さを乗り越え、昔の男の執着も退けた伊崎の成長と、恋愛を意識した後、その気持ちをすぐに受け入れる安原の大人なところがよかった。安原の娘には何となく好感が持てず。2024/10/31
ハイアール・エスコ
8
『嫌いな男』のスピンオフだけどそちらを読んでなくても楽しめます。美形で美意識も高く若くしてIT企業を経営しているゲイの井崎はファザコンでノンケ好き。よって長年、既婚者の各務との不毛な恋愛に悩んでいたが各務の妻が妊娠したと知ってその関係に自ら終止符を打つ。が、なかなか思いを断ち切れず辛い毎日を送っている時、あまりの暑さにふらっと入った居酒屋で同席したごく普通の中年リーマン安原と飲み友達になって…とにかく良い意味で茫洋としておおらかな安原さんがとても良い!2024/09/01
chisarunn
6
「嫌いな男」スピンオフ。あれからすっかりこの作者にはまってコンプしそうな勢いでございます。甘いだけで何も起こらないBLが苦手な自分も、この作者なら許しちゃう。ということで、もっと長いシリーズも書いて欲しいなあ。2024/06/27
tanya
6
作家買い。伊崎さんの子供みたいな我儘が可愛い。自分の感情などを自分で分析する辺り大人だと思う。別れた各務も大人の対応で恋愛だったのかあやしい。安原さんと気が合うので長く続くのではと思う。安心して読めました。2023/11/03