内容説明
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
9
デイモン・ラニアンのブロードウェイ短編集最後の4冊目。この巻は新潮文庫にも掲載されていない作品を載せたと訳の加島氏が述べる。「見事なストリップ」「鉄道員の娘」「ボクサーの血筋」等は他と変わらず気に入ったが、中には調子の異なった物もある。ともあれ「Oヘンリーを遥かに超える」と評価する加島氏は、原著者のブロードウェイ物の作品のほぼ半分を紹介したと愛情を持って述べる。ネットを見ると英文Wikiの著者紹介は詳細であるし多くの作品がテキスト化されている。youtubeでは戦後の作品朗読放送を多数聴くことができる。2022/09/19
Hotspur
2
デイモン・ラニアン#4。ラニアンの短篇の語りは一貫して一人称単数なのだが、この語りで現在形しか使われていないことには、訳者解説を読むまで気がつかなかった。この点を含め、加島祥造氏の解説が指摘するラニアンの「語り口と語彙表現」は実に興味深く参考になる。これは原書に就くに如くはない。ある人はラニアンを「ブロードウェイの吟遊詩人」と読んだが、プロットやキャラクターの多彩さ、面白さも含め、訳書を読んで即原書を注文させるような本は珍しい。2020/10/08
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- 洋書
- Shatterbug