内容説明
ベートーヴェンも「機械」の申し子だった。トランペット吹き人形、自動ピアノなど「はずれもの」たちが語るもうひとつの音楽史。
目次
「トランペット吹き人形」の夢
「楽器発明家」の見た楽器の世界
ピアノという「ハイテク楽器」―ベートーヴェンとピアノ(1)
ペダルをめぐる「ハード」と「ソフト」―ベートーヴェンとピアノ(2)
「人間機械」の運命
バセット・クラリネットはなぜ消えたか?
「技術」と「表現」のはざまで―ベートーヴェンとピアノの指使い
楽譜のない世界を夢みた作曲家
音楽の自動化と「女性解放」
蓄音器のある風景―日本文化の近代化の中で〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wasabi
3
「メディアやテクノロジーは音楽作品や音楽の歴史にとって外在的な要因であるなどという考え方、それとは別の所に、『純粋』な作品や音楽史を語ることのできる次元が存在するという考え方自体が、近代における『技術』や『精神』の自立化の結果として生まれたものに過ぎない」。今年読んだ本の中でもピカイチってぐらい面白かった。ペダルを手(足?)にしたベートーヴェンの作曲の変化とか、サンプリングの手法やそれこそYMOが出てくる半世紀近く前に「機械で奏でる音楽」についての論考が書かれてたとか、読んでて興奮しっぱなし。2013/12/16
颯
1
すごーく面白かった。音楽(というか文化)と機械(というか技術)がどんなふうに影響し合い、融合してきたか、という話。文化が技術に支配されているわけではもちろんないが、しかし文化のもとで技術は単なる道具であるわけでもない。 いち奏者としてとても嬉しかったのは、昔は今ほど技術的に完全な演奏が求められたわけではないという話。技術的な完成度を求めるあまり曲の解釈が犠牲になるのでは、やっぱり本末転倒だよね。これからも弾けないのを棚に上げてごりごり弾くぞ(笑)。2021/01/19
moco*
1
第五章と第七章あたりの話は、ピアノをやったことがある人なら、読んでいて実感も伴うのでは?単なる技術の直線的な発達ではない、もっとぐちゃぐちゃしたものを多分に含みこんだ歴史。興味深い一冊でした。2012/05/27
pddk
0
メディアと音楽の関わりにおける小話たくさんで面白い。2009/12/19
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