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ある文人学者の肖像―評伝・富士川英郎

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  • サイズ A5判/ページ数 446p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784403211065
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「最後の文人学者」富士川英郎の評伝。リルケから江戸漢詩に至る著作に寄り添いつつ英文学者の富士川義之が父・英郎の生涯を読み解く

内容説明

『リルケ』『江戸後期の詩人たち』『菅茶山』などの名著で知られる文人学者・富士川英郎の一生。時代とともに描き出される、游、英郎、義之と続く学者三代の系譜。

目次

プロローグ 華やぎのある孤独
回想のなかの大正時代
詩的人間の誕生
リルケの方へ
昭和十年代
リルケ・ブームのなかで
昭和三十年代
『伊沢蘭軒』をめぐって
江戸後期の詩人たち
菅茶山の方へ
富士川游のこと
『儒者の随筆』
『茶前酒後』
『失われたファウナ』
父とわたし
晩年の父の記

著者等紹介

富士川義之[フジカワヨシユキ]
1938年、岡山市生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。國學院大学講師、都立大学助教授、東京大学教授、駒沢大学教授を歴任。イギリス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パブロ

11
大正から昭和初期の空気に私は憧れる。それは、かつて文人と呼ばれていた人たちがいた時代。哲学、文学、芸術を自分の中で熟成させ、血肉にし、作品として紡いでいった人たちが確かに存在していた。自分に一番欠けているものだからこそ、その雰囲気だけでも味わいたい。この本はドイツ文学者の富士川英郎を、息子であるイギリス文学者の富士川義之が愛情にあふれた筆で描いている。そこには父と子の葛藤もあるが、いかにして富士川英郎は文人となったのかというところを丹念に掘り下げている好著。また一人、もっともっと著書を読みたい人が増えた。2014/06/10

ケニオミ

8
リルケで大成したドイツ文学者でありながら、江戸漢詩にも造詣が深かった富士川英朗。学問の世界に没頭し、書物購入のため、家計を火の車にした英朗は、息子で、後の英文学者の義之にとって、母親を何度も泣かせた悪い父親であったに違いありません。その義之が、自分自身にとっての父親の再評価を兼ねて著したのが本書です。コペルニクス的転回とまでは言いませんが、再評価に至るまでには、心の中で不協和音が鳴り響いていたのではないでしょうか。それを克服して著した本書は穏やかで上品な内容でした。あまりに上品すぎて再読は僕には無理。2014/07/23

Toshiyuki Marumo

1
まだ「文人」という言葉が生きていた時代の、幸福で少し孤独なドイツ文学者の評伝。その端正なたたずまいを眩しく感じる。2015/03/13

けけくち

0
こうありたいと願う理想の学者の生涯。2017/06/18

ラム

0
子による父親の評伝がどれ程あるか不明だが、本書は游、英郎、義之の富士川三代の歴史でもある 英郎自身、最晩年に父游の伝記を上梓 読書の喜びを感じさせる好著 適度な距離感を持って(著者は父の圧倒的な知識に畏れを)文人学者とは、専門の独文学だけでなく、漢詩人・儒者と同等に江戸詩文の世界に遊ぶ姿 江戸詩人を外国文学者と見立て、自然に江戸漢詩の世界と広大な文化を生きた 終盤俄然トーンが変わる 何故自分は父の評伝を書くのか 偉大な父の呪縛からの解放と自身の存在証明 様々に引用される詩歌、漢詩、随筆など読書欲を刺激する2020/05/24

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