内容説明
ワーグナーのパトロンにして浪費家、異装愛好家にして美少年愛者、美貌と狂気のバイエルン王・ルートヴィヒ2世。生い立ち、ワーグナーとの出会い、築城への情熱、そして入水まで謎と伝説に包まれたその実像に須永朝彦が渾身の筆で迫る。
目次
バイエルンの御伽噺の王
白鳥の騎士―幼少年時代
リヒャルト・ワーグナー
戦雲の下で
公女ゾフィー
普仏戦争とドイツ帝国
アルプスの方へ
入水譚始末
ルートヴィヒ2世に捧ぐ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫草
4
ここのところ何冊か続けてルードヴィヒ二世に関する本を読みましたが、この本は、筆者の特別主張する説があるというよりも、世間にいろいろある説を紹介してるものなので、一番一般的な事を知るのにはわかりやすいです。写真もたくさん載っています。王自身の、美青年だったのにすっかり太ったおじさんになっちゃった変貌がよくわかる写真はどの本にも載ってるけど、お城の写真がたくさんあったのがうれしい。ルードヴィヒさんは、現代の普通の人として生まれてきて、コスプレとかやってたら普通に幸せに生きられたんではないのかなあ。2016/03/08
いきもの
3
中世騎士物語の世界へ憧れ追い求め耽溺し追い求め続けた夢想家の王。ワーグナーの庇護者で、宮殿作りに精を出す。王としては凡愚ながらどこか人を惹き付ける魅力を持った儚き権力者。2021/04/25
みかん
0
いかにもルートヴィヒ二世を好きそうな人が書いた文章過ぎて楽しかった。王の容姿を描写するに筆がノリノリなんだけど、絶対筆者の趣味やん。ヴィスコンティ「ルートヴィヒ」は既にあるけどミュージカル「エリザベート」はまだない時代の著作なので、重要な親族たるシシィの描写に変な芝居がかかってないのはそのお陰だろう2024/01/16