内容説明
文学の力とは言葉の力であり、言葉の力は命の力になる。翻訳家・古屋美登里氏が知の興奮渦巻く世界を楽しくガイド!4章に分けて幅広く本を紹介、書評家・杉江松恋氏や広瀬和生・BURRN!編集長とのトークイベントでの対談も完全収録!『雑な読書』の続篇!
目次
第1章 海外のフィクション(フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』;ジョン・スタインベック『エデンの東』 ほか)
第2章 日本のフィクション(浦沢直樹『20世紀少年』;宇月原晴明『安徳天皇漂海記』 ほか)
第3章 ノンフィクション(斎藤美奈子『物は言いよう』;トム・マシュラー『パブリッシャー:出版に恋をした男』 ほか)
第4章 倉橋由美子(『パルタイ』;『偏愛文学館』 ほか)
著者等紹介
古屋美登里[フルヤミドリ]
神奈川県出身。早稲田大学卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
27
前作、「雑な読書」が面白かったので第二弾も即かって読み終わりました。ハードロック、メタル専門誌である「BURRN」での連載も23年目を迎えました。今回はジャンル名で大きく、海外のフィクション、日本のフィクション、ノンフィクション、倉橋由美子と分けてます。前作は初期の書評が中心でしたが今回は、融通無碍に色んな技を繰り出して、思わずニヤリとさせられることしきりです。ロック雑誌でこんな本格的な書評をはじめた、広瀬和生編集長との対談も巻末にあってそれも本当に楽しいです。基本ロック好きは真面目なんだそうです。2018/02/23
belle
10
楽しい&楽しみな書評集。著者にとって別格の~倉橋由美子~を第4章でまとめてあるのが圧巻でなによりよかった。「暗い旅」をはじめとして再びその世界に飛び込みたいと思った。今月は読書があまり進まなかったが、この本を読んで来月以降が楽しみになってきた。2018/03/30
法水
8
《BURRN!》連載の書評エッセイ集第2弾。2004年9月までの分を収録した前作『雑な読書』以降のエッセイを収めた他、杉江松恋さん、《BURRN!》編集長・広瀬和生さんとのトークイベントも入っている(広瀬さんとのイベントは私も参加)。本書は〈海外のフィクション〉〈日本のフィクション〉〈ノンフィクション〉〈倉橋由美子〉の4章で67冊の本を紹介。古屋さんは翻訳をする際、最初と最後の一行に一番頭を絞ると発言されているけど、書評でもそれは同じようで様々な工夫が感じられ、紹介されている本を読みたくなること請け合い。2018/03/19
Yuichi Tomita
2
BURRN誌に連載している書評のうち、2004年10月以降のものからピックアップしてまとめたもの。それに対談が二つ付いている。本書の中にもあるが、雑誌自体の文字が大きくなったことによりコラムの文字数も減ったため、紹介数は67と増えた。 昔の文字数に慣れていたからか、少し物足りなく感じるところもあり。今回は「ミレニアム」と「経済学の宇宙」に惹かれたかな。2021/03/06