内容説明
歌謡曲からロック、フォーク、そしてニュー・ミュージックへ…移り行く時代の中で触れた名盤と「僕」の物語。東京生まれ。東京育ちのコラムニストである著者が、自身の体験とその記憶を手がかりに、邦楽名盤とその時代を紐解く音楽エッセイ集。
目次
「ゆでめん」とシャボン玉/はっぴいえんど
アコースティックな讃美歌/GARO
DOWN TOWNの風景/シュガー・ベイブ
「築地の唄」と昭和レトロの夜明け/野沢享司
Gパンからの脱却/よしだたくろう
海とゴジラと若大将/加山雄三
1977年の港区サウンド/いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー
垣根の木戸の鍵/荒井由実
哀愁の西早稲田通り/愛奴
中津川の語部たち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
34
泉麻人が実家にある、当時「針を落として聴き込んだ」LP28枚に関しての思い出話エッセイ。70年代中心。「ケッ、都会のボンボンが」みたいな罵声をおそれず、とご自身が後書きで書いてますが、確かに高度成長期の慶應ボーイの匂いが。そこが楽しい。音楽のジャンルは違うけど奥田英朗の「田舎でロックンロール」と読み比べるとさらに楽しい。2016/05/17
林 一歩
17
十代で名盤に出会える幸せを子供たちに伝えたいと思っている。音楽のジャンルなんかはどうでもいいのだけれど。ある意味、2000年代も1960年代も同列に視聴できる現在の子供たちは羨ましく思う。2016/04/03
阿部義彦
15
私より五歳年上の泉麻人さんが、ロッキンオン社の総合誌『SIGHT』で連載していた所有しているレコードを語る企画を単行本化したもの。この雑誌は不定期刊になりましたが、事実上は廃刊の様です。私とほぼ同じ趣味で、ナイアガラ、シュガーベイブ、吉田美奈子、矢野顕子、大貫妙子、等が紹介されています。その中でよしだたくろうが朝日ソノラマから出した、3枚組のソノシートがレア盤として紹介されてましたが、私も当時それを持ってました。デパートで値引き販売されていて買った記憶があります。村井邦彦さんの影響が濃いです。若きユーミン2022/12/09
たくのみ
11
泉さんが、ニューミュージックを語るなんて。時代は変わったんですね。浜省の「愛奴」時代の歌声に「泥臭い声調に、ちょっと垢抜けないキャラクターが似合う」。石川セリの歌と目白でのデートの思い出。キャンディーズのコンセプトにシュープリームスやスリーディグリーズを見たり。「東京ららばい」と豪華ミュージッシャン。就職活動とカーステレオの「勝手にシンドバット」。同時代の名曲たちが、読む側の脳裏にも鮮やかによみがえる。2016/05/19
O-chami
2
一学年下の同世代自由人。高校〜大学〜社会人へと、青春の日々を過した70〜80年代の日本の名盤レコードを振り返り、ほろ苦く甘く切ない想い出を重ねて綴ります。 BGMは、吉田拓郎1970年デビューの名唱…「マークII 〜 イメージの詩」🎶 〜 拓郎のバックバンドに抜擢された愛奴 (浜田省吾がドラム&ヴォーカル) の1975年デビュー曲…「ふたりの夏」🎶🎶🎶2025/05/16