内容説明
恋は、かなわぬが故に恋たり得るもの。ファム・ファタール(宿命の女)を追求し続ける詩人。そのたぎるような熱く激しい情念を、端正でクールなスタイルに塗り込めて…。ロキシー・ミュージックから、現在までの全楽曲、逆説の詩人、言葉の魔術師、ブライアン・フェリーの詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
6
ため息が出るほどの憧れです。この人の詩も難解なのですが、ボウイと違って、ていねいに追っていくと、「ああ!」となります。で、「ああ!」となると「ええ?!」となります。それは排他的と言っていいほどに人を介入させない、人を人と思わない、しかもそれはブライアン・フェリー自身も含めてのことで、その世界観を見ればそう感じます。それでいて自分のエゴを認めて受け入れる自己愛も持っている不思議な世界を構築します。さらに面白いのは時を経て、服装がフォーマルになっていきますがフォーマルになればなるほど排他性は増します。2015/07/19