内容説明
14世紀の初頭、失意と放浪のどん底の境遇にあったダンテが、当時の文学の言葉であるラテン語ではなく自らの母語であるトスカナの地方語を用い、久遠の女性ベアトリーチェを思慕しつつ、地獄の陰惨な情景から始まり最後は天国での至福の歓びで終わる魂の旅路を「煉獄篇」「地獄篇」「天国篇」の壮大な叙事詩に描きあげます。小学5年生以上。
目次
地獄への旅(旅の始まり;ためらいと励まし;アケロンの渡し ほか)
煉獄への旅(渚にて;煉獄のふもとで;煉獄の円道 ほか)
天国への旅(第一の天;第二の天;第三の天 ほか)
著者等紹介
住谷眞[スミタニマコト]
1957年、高松に生まれる。1980年、東京大学法学部卒業。1984年、東京神学大学大学院博士課程前期課程修了。牧師(日本キリスト教会)、新約学者(日本新約学会会員)、歌人(日本短歌協会理事)、神曲愛好家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
38
人生という旅のなかば、ふと気が付くと...深い森の中にいた。...夜通し歩き...見上げると太陽の光を浴びて輝いていた...。 挿絵が美しい平川訳「神曲」を読んだのは読メを始めてまもない頃。少年向けの本書の存在は知らなかった。叙事詩で読むのとは味わいが違うが、表題が秀逸。何となく読み感想も残していない「神曲」を再読しようと思った矢先に本書の存在を知り読んだのだが、この作品の構成などを知ることができた。本書は多くの訳本も参考にしているが、「神曲」に限らず訳者との相性はあると思うので、山川訳か原訳で再読予定。2021/02/03
紫苑
2
ダンテ『神曲』を青少年向けに書き下ろしたもの。タイトルは、書き出しから取られている。読みやすい散文で、よくこれだけの量にまとめられたと思う。原作があくまでキリスト教的な立場に基づくものなので、現代に読んで、内容的に引っかかりを抱くのもよいと思う。2016/01/02
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- 和書
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