出版社内容情報
現代の論争史における議論の流れを整理・概観した上で、不寛容な原理主義を排し、世界の諸宗教が果たすべき役割と責任を説く。
内容説明
不寛容な原理主義を排し、異なる神を信じる者どうしが対話することは可能か?気鋭の神学者が現代の論争史を概観し、諸家の主張を明快に整理した上で、この課題を徹底的に考え抜く。付論では、西洋的一神教より日本的多神教をよしとする俗論を批判。
目次
第1章 議論の経緯
第2章 排他主義・包括主義・多元主義という類型論の曖昧性
第3章 宗教理解における命題型・経験型・言語型の類型論―リンドベック
第4章 問題と展望
第5章 ポストモダニズムとの対論―ニッター
結論―宗教間対話の意義としてのグローバルな宗際倫理的討論
付論1 いわゆる原理主義過激派について
付論2 日本的習合宗教について
著者等紹介
西谷幸介[ニシタニコウスケ]
1950年、佐賀県に生まれる。1980年、東京神学大学大学院博士後期課程修了。1997年、神学博士号取得(スイス・バーゼル大学)。現在、東北学院大学文学部教授、宮城大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ
1
キリスト教神学者の立場から原理主義と宗教観対話について述べた本。イスラームだけでなく、プロテスタント系原理主義の歴史をざっとおさらいできる。特にアメリカが憲法上は政教分離をうたっているにもかかわらず、ピューリタンの「神の主権」国家理念を内包しているという指摘が興味深い2010/11/16
可兒
0
各宗派の原理主義についてさらっと説明されていてためになるのだが、どうも有力宗教=アブラハム系一神教を話の前提にしているような気がしてならない。宗教間対話っつったって、所詮はキリスト教リベラル派が好奇心で始めたんだろと冷たく突き放したくもなる2013/07/30
-
- 和書
- 欺す衆生