目次
第1部 冀東政権の成立―板垣征四郎と殷汝耕(華北分離工作と板垣征四郎;殷汝耕と日本)
第2部 冀東政権の主要政策(冀東政権の対日満外交;冀東政権の財政とアヘン専売制度;華北経済開発と〓(らん)河水力発電所建設計画(一九三一年~一九三七年)
冀東政権の防共政策)
第3部 通州事件と冀東政権の解消(通州事件の史的展開;通州事件に残る疑問)
著者等紹介
広中一成[ヒロナカイッセイ]
1978年、愛知県生まれ。2012年、愛知大学大学院中国研究科博士後期課程修了。博士(中国研究)。愛知大学国際コミュニケーション学部非常勤講師。専門は中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けいた
2
筆者の博論を基にした書籍。広中一成氏は学術論文だけでなく、『ニセチャイナ』(社会評論社)『牟田口廉也:「愚将」はいかにして生み出されたのか』『通州事件:日中戦争泥沼化への道』(星海社新書)など一般書も書かれている。乏しい一次史料残存状況の下、冀東政権に拘った研究書をまとめた苦労が偲ばれる。詳しくは「あとがき」参照だが、冀東政権研究の困難さが、結果として日中戦争体験者・その遺族への聞き取りへ関心を広げさせたというのは興味深い。(その成果が『日中和平工作の記録』(彩流社、2013))。2019/12/30