内容説明
義理の娘の自殺―著者夫妻は突如、自殺者の遺族になる。そして知る。遺族は自殺者の影に息をひそめ、人知れず苦しみを抱えたまま生きていると。また知る。自殺者の遺族は「自殺は罪」という神学にも苦しめられていると。本書は、その二重の絶望から希望へと歩む旅の記録。年間三万超の自殺者を憂う日本の、その数倍の声なき遺族に贈る。
目次
終わり
金曜日
土曜日
日曜日
事態を収拾する
聖書の物語を調べる
観察された共通の要素
教会が語ってきたこと
殉教者について
神学者が語っていること
死と生
ここまでの議論の要約:「わたしたちも、そこにいた」
前進し続けること
思い出すこと
エピローグ
著者等紹介
カー,G.ロイド[カー,G.ロイド][Carr,G.Lloyd]
現在、ゴードンカレッジ(マサチューセッツ州)の聖書学・神学名誉教授。専門は旧約聖書学
カー,グウェンドリン・C.[カー,グウェンドリンC.][Carr,Gwendolyn C.]
詩人
川越敏司[カワゴエトシジ]
1970年和歌山市生まれ。公立はこだて未来大学システム情報科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Atsushi Sakamoto
2
わたしは、洗礼を受けずに亡くなった幼子の救いについて関心を持っていましたが、同時に信仰を持つものの自殺についても関心を持っていました。この本で気づかされたのは、聖書に「自殺は許されない罪」と咎める個所は全くない、ということと、歴史的過程の中で、自殺防止のために十戒を拡大解釈したアウグスティヌスやアリストテレスの影響を受けたアクイナスの神学がいつの間にか一人歩きをして、「自殺は罪」とする行き過ぎた考えに陥ってしまった、ということでした。2012/11/13
warimachi
0
名著。邦題は気に入らないが。2013/03/12