内容説明
現在、この二十世紀後半の世界は、急速な科学技術の発達の反動の結果として、地球環境の破壊に病み苦しんでいる。このような状況に対して、この環境破壊の元凶はキリスト教にあるという人が少なくない。本書において著者は、果して現在の環境破壊の原因はキリスト教的世界観にあるのか否か、ということに対して答えを得るために、キリスト教の教えを「自然的世界」という観点から整理してみた。
目次
第1部 聖書における自然観(旧約聖書における自然;新約聖書における自然)
第2部 キリスト教史における自然観(アウグスティヌス―神の善なる被造物としての自然;トマス・アクィナス―宇宙の秩序としての神の存在と善性を表している被造物;カルヴァン―創造者の栄光を照らすものとしての自然)
第3部 二十世紀における自然観(シュヴァイツァー―生命への畏敬の倫理的神秘主義;バルト―神のあわれみと祝福の中にある被造物;ティリッヒ―啓示を媒介する物としての自然 ほか)
第4部 批判に応えて(ホワイトの批判;安田喜憲の批判)