内容説明
神とは誰か、他者への責任とは何か?レヴィナス思想の戦後の出発点を告げる『時間と他者』。難解をもって鳴る同書を徹底的に精読・註解することを通して、深い苦しみの時間を生き抜いたユダヤ人の“希望の時間論”が浮かび上がってくる。著者の「レヴィナス三部作」ついに完結。
目次
予備的考察(生き残った者;フッサールの現象学 ほか)
第1講の読解(レヴィナスを解釈するルール;“実存すること”の孤独 ほか)
第2講の読解(日常生活と救済;世界による救済―糧 ほか)
第3講の読解(労働;苦悩と死 ほか)
第4講の読解(顔を隠す神;権力と他者関係 ほか)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950東京生まれ。哲学者、武道家。凱風館館長。神戸女学院大学名誉教授。ブログ「内田樹の研究室」主宰。東京大学文学部卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やましん
10
普段は分かりやすい筆致で文章を綴る内田樹のエマニュエル・レヴィナス論完結編。評論家としてでは無く1学者として執筆した乾坤一擲の書で極めて難解。レヴィナスが何を言おうとしていたか半分も理解したとは言えないが、どのような観点から哲学史をまとめようとしても必ずその名前が出る哲学者ハイデガーの「存在と時間」論がナチス・ドイツの行いを積極的に肯定もしないが否定もできないものであることに疑義を覚え、これを脱する存在論を紡ごうとした時代背景に留意しながら読むと、この哲学者の謦咳にわずかながら接する気がした、かもしれない2022/07/17
Iwata Kentaro
8
読みました!めっちゃ時間かかりました!特に後半はしんどかった。「時間と他者」、なんとなく分かったかな−と思った時もありましたが、逆に本書読後にめっちゃ分からなくなりました。再読必至。2022/07/29
元よしだ
5
読了~ ノートをとりながらの読書でした。 わかった気にさせてくれるのは、さすが内田先生です。 以下引用 レヴィナスの哲学史最大の功績の一つはその独特な修辞術にあると私は思っている。レヴィナスの超絶技巧的修辞に身をゆだねるということは、おのれの手持ちの度量衝によるテキスト理解を断念するということである。2023/08/31
Go Extreme
4
予備的考察: 生き残った者 フッサールの現象学 現象学と聖書 信仰と時間 有責性 ユダヤ的な知 第Ⅰ講の読解: レヴィナスを解釈するルール 実存することの孤独 実在者なき実在すること 第Ⅱの解釈: 日常生活と救済 世界による救済 光りと理性の超越 第Ⅲ講の読解: 労働 苦悩と死 死と未来 死と他者 時間と他者 第Ⅳ講の読解 顔を隠す神 権力と他者関係 始源の遅れ 時間意識の成熟 応答責任 エロス 豊饒性2022/06/30
SAHARA
1
読了。難しい。読み終えるまで半年かかった。 プラトン的な光の哲学である西洋哲学史とは、相対するレヴィナスの霊性の哲学(闇ではないんだね)。 労働は己の実存に出会う(他者と出会うこと?)とレヴィナスが言ってるんだから、明日からの労働もがんばろうと思った。2024/01/26
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