出版社内容情報
ティリッヒの主著の第一巻 存在と神問題、神の実在をテーマに論述。全三巻復刊完結。
目次
序論(観点;組織神学の本性;神学の組織;組織神学の方法と構造)
第1篇 理性と啓示(理性と啓示への探求;理性の構造;実存における理性;理性の認識的機能と啓示への探求;啓示の現実;啓示の意味;現実啓示;終極啓示における理性;啓示の根拠)
第2篇 存在と神(存在と神問題;存在の問題;基礎的存在論的構造―自己と世界;存在論的諸要素;存在と有限性;人間の有限性と神問題;神の実在;「神」の意味;神の現実)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
第一次大戦後に書かれた『諸学の体系』で著者は、神学を「弁証神学」の立場から諸学の中に位置付けた。そこには哲学的問いと神学的応答の関係モデルが見出される。が、この「相関の方法」は諸学の関係に留まらない関係の仕方へと著者を促す。第二次大戦後に神学を単独の主題に置いて書かれた本書では、以前の諸学の知の応答から災禍を生きる人々の実存との応答にシフトし、生自身に対する問いと答えの循環構造として神学を捉える。その前半に当たる本巻は、究極の状況である実存における理性と究極的関わりとしての啓示の関係のあり方が検討される。2021/10/03