内容説明
現代のユダヤ教のイエス研究の成果に耳を傾けることを通して、キリスト教徒は自らが信ずるイエス・キリストがユダヤ人として生き、ユダヤ人として十字架の死をとげたイエスであり、かつまたユダヤ人として復活したイエスであるということをいっそう深く理解するようになるであろう。そしてそのようにしてだけ、キリスト教徒も自らの“キリスト教神学的反ユダヤ主義(Anti‐judaismus)”の呪縛からの自己解放に至り得るであろう。
目次
1 史料
2 生い立ち
3 受洗
4 律法
5 愛
6 道徳
7 神の国
8 息子
9 人の子
10 エルサレム
11 死
著者等紹介
フルッサー,ダーフィト[Flusser,David]
1917年生まれ。オーストリアのウィーンに生まれのユダヤ人で、’36~38年にチェコのプラーハの大学で古典学を学んだが、ナチ・ドイツ軍のチェコ侵略後、’39年にパレスティナで亡命移住した。戦後のイスラエル建国と解放戦争(第一次中東戦争)の後、’50年からあらためてエルサレムのヘブライ大学で古典学とユダヤ史を修め、’62年以降ヘブライ大学で教授としてユダヤ教史と初期キリスト教を担当し、最近停年で退任するまで教えていた。その間、イエスや新約文書や初期キリスト教に関して、また死海文書や古代ユダヤ教に関して、多くの秀れた研究をヘブライ語とドイツ語と英語で発表している
武田新[タケダアラタ]
1972年三重県に生まれる。’96年国際基督教大学教養学部人文学科卒。’97年都立大学大学院人文科学研究科独文学専修修士課程中退。同年からドイツのテュービンゲン大学留学中(ドイツ文学・マロンス語文学専攻)
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