目次
第1章 序論
第2章 論争の成否を決する争点
第3章 基本的一致
第4章 アブラハムの相続
第5章 アブラハムの相続人はいかに生きるべきか
第6章 小問題
第7章 キリスト教思想におけるガラテヤ書の影響
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
14
ユダヤ教とキリスト教は異なる宗教か。本書の答えは、否。生粋のユダヤ人だと自らの熱心を誇るパウロを見よ。彼はキリスト教への「改宗者」等では断じてなく、ユダヤ教の完成者であるイエス・キリストに出会ってしまったが故に、その人生が一変させられた人物なのだ。キリスト教の聖典に収録された彼の書簡には、イエスの言葉や行いへの言及が不思議なくらいに少ないのだが、代わりに彼は「十字架に磔されたキリスト」を自らの信仰の根拠に据え、ユダヤ教の尊ぶ契約も律法も全て、この「十字架という呪い」によって逆説的に成就したことを力説する。2020/12/30