出版社内容情報
大正の広重、吉田初三郎が描いた超絶技巧の全国名所パノラマ絵図集!
[本書の特長]
大正の広重と呼ばれる絵師・吉田初三郎は、鉄道会社や新聞社、自治体、地域の観光協会、旅館やホテルなど宿泊施設の依頼を受け、観光案内用の鳥瞰図を数多く制作。日本のあらゆる都市を描き、数千点の作品を残しました。綿密な取材に基づく精緻な描写、清涼さが漲る鮮やかな色使い、テーマ全体を過不足なく入れ込む大胆な構図など、いま見ても斬新で目を奪われます。初三郎の傑作の数々を一冊に凝縮した本書で、その独特の筆致を存分に堪能できます。近年ますます評価の高まる吉田初三郎の決定版画集!
目次
旭川市を中心とせる名所交通鳥瞰圖
札幌市鳥瞰〓
十和田湖鳥瞰〓
釜石市街鳥瞰〓
観光之宮城縣圖繪
庄内交通路線景勝鳥瞰圖
日光名所圖繪
東武鐵道沿線名所圖繪
京王電車沿線名所〓繪(東京より多摩御陵)参拝近道
神奈川縣観光〓繪〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
25
歩くのに使えない地図を昭文社で扱う勇気に感動。楽しい地図。2021/07/17
ドラマチックガス
7
図書館で発見し、狂喜乱舞しながら借り一日で読む。いろいろな博物館や資料館、郷土館などで目にし、これいいなぁと思っていた鳥瞰図。まさかその多くを同じ方が手掛けていたとは。デザイン等の才能にてんで恵まれなかった僕だけれど(だからこそ?)、どこを強調し、デフォルメし、時に大胆に削ってわかりやすさを追い求めていったか、その発想に驚愕させられた。図書館じゃ申し訳ないのでぜひ購入したいが、値段よりも大きさがネック。保存場所が…2021/12/05
わ!
5
コロナ禍で本屋へ行けなかったた間に、めちゃくちゃ凄い本が出版されていた。なんとあの吉田初三郎さんの作品集が、大型本になって出版されていたのである。 知らない人は知らないが、この吉田初三郎さんは、鳥瞰図の大家なのである。この本3200円もするが、地図マニアからすると、決して高くない。これまで何枚かの吉田初三郎さんの大阪や京都の図を購入したが、それぞれ1000円前後していたのだ。この本にはおおよそそんな鳥瞰図が46枚分も載っている。しかも見開き大判の鳥瞰図が6枚もあるのだ。まさにVRで仮想旅行が出来るぞ!2021/10/17
Yasushi I
5
大正の広重と言われた全国各地の鳥瞰図。地図ではなく、その土地々々を大胆にデフォルメした構図が美術作品としても素晴らしい。細かく見ていくと現在と異なる大正、昭和初期の姿が溢れていて、いくら見ても見飽きることがない。ルーペ片手にずっと楽しめそう!2021/08/31
yumani
3
図書館にリクエストしたらいつになくすぐに購入してもらえ跳び上がった!今もウチから見えるアノ山の向こうまで見渡せる鳥瞰図、富士山のずっと向うにハワイ?(爆!)とはいえ、海には軍艦や司令部の文字。郷里の街で小学一年の頃見た「タワー」の形!記憶が幻ではなかったことに歓喜する。先日訪ねた広島は原爆の落とされるずっと前、電軌本社の隣「商品陳列所」の残骸が原爆ドーム…。関東大震災の地図は一年後に復興の様子を表す新聞記事の付録として印刷。これだけはデフォルメが少ない異色の地図、炎が胸に迫る。2024/01/13
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