感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
2
'75年刊。明治から大正にかけて、マッチは日本の外貨稼ぎの主要品目だった。当時のマッチラベル見本帳を基にごく一部だけ紹介したのが本書だ。薄い新書なので掲載数は少ないものの、往時の世相や風俗は充分に伝わってくる。稚拙なものから緻密なものまでレベルは様々だが、飽きの来ないノスタルジックデザインが秀逸で、眺めているとつい時を忘れてしまう。当時の燐寸会社の流れを汲む兼松日産農林が、当時のデザインの一部を復刻して現在でも販売しているが、よく見かける「燕」「白桃」「象頭」は、お世辞にも優れたデザインとは言いがたい。2012/04/15