出版社内容情報
中学2年生の岡ちゃんは、当たり前に大人になっていく周りの変化についていけない。
取り残されたような寂しい気持ちと、友達を理解したいのにできない苦しさ。
幼馴染で親友のあの子と、前みたいに笑いあうことはもうできないのかもしれない。
思い出したくないことと、何度も思い出したいこと、
全部が詰まった青春群像の傑作。10年振り復刊。
描き下ろし読切「夕子の思い出」38P収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chacha子
4
切ない。胸がぎゅってなった。私は岡ちゃんみたいに柔らかくなくて、孤独だったんだけど強がっていた。友達にまでやってて不誠実だったと思う。自分の心を守るために必死だったのだ。岡ちゃんはきっと大人になれると思うよ。友達と感覚が変わってくると辛いよね……。2023/06/09
A.Sakurai
2
評価高いので気になっていた作品.クラス内のヒエラルキー表現や発達障害的なキャラクターは『ちーちゃんはちょっと足りない』を想起させる.しかし,主眼に置かれているのはまったく逆とも言える視線だ.本作は人の暗黒を覗き込む.『ちーちゃん…』は自分の暗黒が暴かれる.同じ暗黒でも恐ろしさが違う.読んでいる作品でなく,想起した作品の異様さをずっと感じていたので,本作自体の感触が定まらない.2025/05/08
brzbb
2
「普通のやつら」を嫌い見下しながら、普通になれないことにコンプレックスを感じ、同類だと思ってた親友が「向こう側」に行ってしまうと焦る。自分の気持ちに嘘をつきたくないという潔癖症と生真面目さ、いじめられないよう必死に立ち回るヒリヒリ感、繊細で傷つきやすいくせに無神経で、傷つけたり傷つけられたり、でもちょっと前まで小学生だったイノセンスとバカさが救いになっている。そんな彼女たちを見守るような著者の視線がどこまでも優しい。2023/08/28
かぴ
2
書店徘徊して目に入り、装丁が気に入って購入。読んでたら自然と自分の学生時代を振り返ってしまう。陽キャ陰キャモテ非モテポジションスクールカースト…勝手に自分を縛って烙印押して苦しんでる。しかも今はそこにSNSも加わってますます生きづらそう。いじめで自殺した子のニュースなんて見ると学生時代が全てじゃないのにもったいない、なんて思うんだけど大人になっても意外とあの頃の人格は身体に染み付いて取れない。記憶は薄れてるはずなのに。卑屈な岡ちゃんを抱きしめてやりたい。自分が幸せと思うならそれでええやんええやんシュー2023/08/18
サマンサ田端
1
「心臓」の作者の本だとカバー画で気付いて購入。読み進めると、学校の嫌なところを次第に思い起こさせられて、多分今夜は夢見が悪い。我が身を振り返ると、この本にあるようなエピソードは思い当たるが、当事者ではなかったか、当事者であっても区切りをつけられるような行動は出来なかった気がする。もうよく覚えていない。言語化もできない。ざらざらした後味が残る。しかし多分また読んでしまう。2024/07/27
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