感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
169
たとえ誰のことをも幸せに出来ない想いを抱え続けることになっても、共にありたいと思える相手に出会えたことだけでも、それは幸せなんだろうと私は思う。なのに、なぜ、私は涙を流しているのだろう?何がこんなにも哀しいのだろう?失ってから気付いた親からの愛情、居なくなってから気付いた三割減なアンドロイドのヒカルへの愛情、いつでも遅すぎる彼のその気付きに?その不器用な生き様に?彷徨い追い求め続ける姿に?・・・それとも。亡くした恋人「光」本人への想いは上書きされ、500年の営みの中の、もうどこにも無いということに?2012/10/10
匠
151
愛する人の不慮の事故死に絶望して自殺したはずが、250年の冷凍保存から目覚め、お世話係として現れたのは亡くなった恋人そっくりのアンドロイド・・という設定だけで、なんだそりゃな引き込まれ方をした。根底に流れるテーマは案外すごく深かったりして考えさせられる。外見は似ていても中身はアンドロイド、同じよう愛せるのかとか、3割減な残念なアンドロイドのほうが完成型より愛情持たれた理由とか、さらなる250年経った後でも約束を果たそうとする想いの深さなんかが、読んだ後にじわじわくる。でもこれBLじゃなくていいよね。2013/04/25
ヒロ@いつも心に太陽を!
123
とにかくせつない。寅と光の別れからしてせつなく、ヒカルBとの別れもせつなく。寅と違って眠りにつくこともなく、ずっと意識のあるアンドロイドのヒカルが過ごしたいくつもの朝と夜のことを考えてもせつなくなった(書き下ろしの『250年の営み』)。最後に寅とヒカルが出会えたのは、私にとっては救いの光。たとえこの先の、二人の生きていく時間の流れが異なり再び別れる時が来ようとも、その瞬間まで一緒にいられるのならば、彼らは幸せに違いないと思う。あ〜、いい本読めて満足(´∀`*)2012/08/05
チョコ大福
117
※泣けた(T_T)〜矛盾という言葉がぐるぐる回っています。死にたいと思ったのに生きたいと思った矛盾。会えないだろうと思っているのに会いたいと願う矛盾。このお話の中にはきっといくつかの矛盾があるのでしょう。矛盾があったから、500年の営みがあったのでしょう。こういう良い話があるからBLは止められない。2014/02/11
どんぶり
81
以前中古本屋さんで見つけ、表紙に惹かれてパラ読みしたら凄く良かったので購入しちゃいました。好きだった相手に似ているアンドロイドとの恋。所々設定に無茶なところはあるにしろ、切なくて悲しくて泣けました。家同士が敵対していた息子達が惹かれ合い、両想いになったと思ったら相手が突然死。悲しみに耐え切れず自殺をするも、親の力で250年も生き延ばされた寅。その好きだった相手に似せたアンドロイド・ヒカルが彼の付き添いとして側にいるようになります。でもそのアンドロイドは似ているようで似ていない見た目や素振り。2014/03/16
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