出版社内容情報
志村志保子という「文学」。
「名前」を持つすべての人に捧ぐ、10の物語。
娘を捨てた母と、母に捨てられた娘?―。
その邂逅は希望か、悲しみか。
「名前は子供への最初のプレゼントだとは、よく言ったもんね」
18年前に夫と娘を捨て、男と逃げた三津江(51)。パート先の文具売り場で、結婚を控えた娘と再会するが―?。〈第1話〉
「私は一生、男の人に愛されることも、名前を呼んでもらえることもないんだろう」
恋人いない歴=年齢の愛子(29)。駅のホームで自殺未遂と誤解された現場を、知り合いの男子高生に目撃されてしまい…?〈第2話〉
あなたの心に優しく爪を立てるような―?。
痛みと癒し、そして救いのオムニバスストーリー。
志村 志保子[シムラシホコ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぇしゃ
9
つい先日「王子様」と名付けられた18歳の男性が改名したニュースもあったのでなんとなくタイトル買い。英語だろうが日本語だろうが、名前には由来があって、名付けた人がその子に幸あれと願いと言寿ぎだと思うのだけど、名付けられた側にとってそれがどういう意味を持つのかと考えると、なかなかに複雑。短編集でわりとわかりやすいエピソードが多かったかな。わざと名前を間違えて縁を切る話は切なかったな。自分の名前を好きになれるかどうかって、その後の人生に影響を及ぼす気がします。ちなみにわたくしは自分の名前、あまり好きじゃないです2019/03/14
gongxia
5
名前の意味を考えたことあったなぁ。おじいちゃんの漢字と、子を入れたかったのと、樋口可南子がすきだったから、と言われた時ちょっとだけ悲しかったなぁと思い出した。2017/04/08
まぁぼ
5
すごく良かったです。名前は単なる個人の識別ではなく、特別の意味があるということを再認識させてくれます。結婚式のお話、由希さんのお話が泣けました。2016/05/16
めめめ
4
名前をテーマにしたオムニバス集。読み逃した回もあったので単行本化を待ってました。一篇一篇は短いけど深く読み入ってしまう。男の子主人公の話と、ラストの由希さんの話が好き。2016/05/27
みやび@夜649
3
電子。名前に関するオムニバス作品。短編なので、え!そこで終わりってのが多い。自分と同じ名前を子供につけていた学生時代の部活の後輩の話が一番良かったかな。2023/12/08