出版社内容情報
奇跡を起こせるのは、最後の最後まで奇跡を信じきったやつだ――
資金なし、経験なし、計画性なし。
あるのは志とビジョンだけ。
ベンチャー起業の紆余曲折と仲間たちとの絆を描いた、お仕事×青春小説
なにかを成し遂げたいのなら、死ぬ気で働かないといけない時期が必ずあると思うんだ。
黒川虎太郎は大学四年生。大手企業からの内定も獲得し、堅実な人生を送っていく――はずだった。だが、ステージⅣの悪性リンパ腫になったことで人生が一変。絶望に襲われるコタローを救ったのは『生きるための起業』という一冊の本だった。治療が奏功し、なんとか死を免れたコタローは退院と同時に、「生きるために」起業することに。高校時代の同級生、白井博と二人で会社を立ち上げたものの、事業内容も資金の調達先も何も決まっていない。決定したのは社名――「サバイバーズ」だけ。動画制作会社としてスタートを切ることにしたものの、行き当たりばったりすぎる経営で、この先、生き延びることができるのか……!?
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
73
新作が出るたびに、今度はどんな作風かと楽しませてくれる岩井圭也さん。今回は若者が主人公のお仕事小説、それもベンチャー企業の立ち上げという現代の作品。主人公のコタローは大学4年生、大手企業から内定をもらい、これからというときにステージ4の悪性リンパ腫を告知される。死の恐怖、生きたい、治療に苦しんでいた時に救われたのは「生きるための起業」という本だった。見舞いに訪れた高校時代の同級生ハクと、退院後に会社を立ち上げる。そこからがとにかく楽しい。気がついたら読み終わっていた。元気をもらえる1冊。2025/08/17
akiᵕ̈
20
岩井さん新作は、若者が奮闘するお仕事小説。大学生のコタローは、起業したい気持ちを持ちつつ、内定もとれた所に思いもよらないがん宣告を受け、そこから自身の人生を見つめていく。鬱々としている中、ネットで見つけた一冊の本に救われ諦めていた起業に闘志を燃やし、性格が正反対の同級生のハクを副社長にし奮闘していく。"嘘でも良いから強気で"をモットーとしてきたコタローの熱量は半端なく、そこに惚れ込んだ人たちが仲間に加わり、チーム一丸で失敗を恐れず成長していく様は、爽快でこちらまで元気が湧いてくる。奇跡は信じたもんがち!2025/08/09
ユウハル
10
都合の良い物語ではない。だが、ここには希望がある。光輝く希望が。 正直、そんなに都合よく起業できるのかな?と疑いながら読み始めた。都合の良いことはほとんどなく、ただただハラハラしっぱなし。いや、読んでいて辛くないのだ。なぜだろう。清々しくて元気をもらえる。それはみんな希望があるからではないだろうか。とにかく生きる。この作品を読んでたくさん元気をもらえた。2025/08/20
yasuyuki suzuki
7
素晴らしいビジネス青春小説に出会ってしまいました。癌ステージ4の黒川虎太郎が起業するエンタメ小説、紆余曲折ありハラハラドキドキのシーン満載の感動作ここにあり、5人の小さな会社の奮闘記、特にSFOA短編映画の参加制作過程が素晴らしかったです。発表の時のハラハラドキドキ感は手に汗握りました。こんなにも興奮しながら読んだのは久しぶりかも知れません。あなたもぜひ読んで感動して下さい。手に汗握って下さい。2025/07/31
バナナカプチーノ
5
絶好調の岩井さん新作は青春xお仕事もの。キャラクター一人ひとりが愛おしく、さわやかで楽しい1冊でした。岩井さんの手掛ける作品の世界観の幅広さに脱帽。2025/08/18
-
- 和書
- しょっぱい夕陽