出版社内容情報
樋口有介[ヒグチユウスケ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
197
樋口有介は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルから想像した内容と異なりましたが、著者ならではの雰囲気を持った警察ミステリ、300P強一気読みしました。一生を捧げても良いような美貌の女性に出逢ってみたいなぁ。『国立』が、国分寺と立川の間なので、名付けられたということを初めて知りました。読メの皆様も指摘していますが、何故このタイトルがついたのか理解出来ません(笑)2018/05/23
sayan
70
「殺人に格上げ」と「平凡な食卓」、なんだこれは?と帯文とタイトルのギャップが面白くて手取った書籍。ストーリー展開のテンポは悪くない…が、サラっとしすぎて読み手によって好き嫌いに差が出るかもしれない。前半はタイトルの通り「平凡」で、読み進めるにエネルギーを要した。が、後半は人間のダークサイドが露わになり、面白みが増す。とは言え、少し設定が極端すぎないか、と思う。読み飛ばしたのかもしれないが、いまいち物語のキーとなる夫婦の「なり染め」が掴めなかった。まあ、電車内で読むには良いボリュームだ。2019/04/28
タイ子
70
人間の心の内を描き出したミステリーと言えばカッコいいけど、そこまで本格的でもなく登場人物たちが軽い感じなのでタイトルの如く平凡な作品でした。上昇志向の強い美人刑事卯月がある市議の急死を病死ではなく殺人事件に持っていこうと捜査を始める。上司も、部下も卯月刑事の策略にはまりつつ、調べていくうち意外な事実が…。女刑事が現場近くのイケメンと瞬く間に男女関係になるっていうのもどうなの?彼氏に事件の内容をペラペラしゃべるというのもどうなの?ツッコミどころは満載ながら真実が知りたくて一気読みした私はどうなの?2019/01/14
Kei
61
誰もが知っていて誰も指摘しない事実、経済なんて所詮はネズミ講。利益を得るのはヒエラルキーの上部者だけで、庶民という下部者は永遠に搾取される。そして、このネズミ講は一度機能し始めると、革命でもおきない限り止まらない。ズルの構造。人間関係において、このズルの女性を構造から降りた男性が眺める、というお話し。んな、難しい表現は全く出てこず、いつもながらの登場人物に軽妙な会話。樋口勇介は不滅です。(笑)2018/06/20
タックン
50
東京近郊の所轄の美人女性刑事、卯月警部補が主役。本部の捜査1課を目指すほど上昇志向が強く、単なる病死扱いになるのを疑い事件性ありにして捜査していったら、なぜか他殺の疑いが出て被疑者の娘を疑いだしたら、その娘が自殺して捜査は混沌。果たして真相は? 若い頃のアイドルみたいな美少女を妻に娶った教師・市議会議員と家族そしてその妻に憧れた男たちの悲哀が悲しい。 実は最後の部分が恐ろしかった。 始めはキツイイメージのあった卯月警部補であったが、知り合った水沢とのイチャイチャぶりや料理上手で女性らしい一面があっていい2023/05/14