出版社内容情報
長岡弘樹[ナガオカヒロキ]
内容説明
祖母が祖父を介護する家に居座る孫、唐突に同棲を快諾した恋人、鉢合わせした住人に違和感を抱く空き巣…。変わりゆく町で繰り広げられる一筋縄では解けない事件とは?精緻で心温まるミステリーの玉手箱。
著者等紹介
長岡弘樹[ナガオカヒロキ]
1969年山形県生まれ。筑波大学第一学郡社会学類卒業。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなり、話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
198
8編からなる短編集です。相変わらずの読みやすさはピカイチで、飽きずにスラスラと読み進めることができます。しかし本作はその読みやすさレベルの高さが逆にちょっと仇?になってしまった感がありました。もっとじっくり深く読めばインパクトが強くなるところが、あまりにもスムーズに読めてしまうために、大事なトコをスルーしてしまいそうになります。他の作品では長岡さん特有の深みを十分に堪能できましたが、本作はちょっと薄味気味だったかなと。ついつい、長岡さんの作品に求めるクォリティの高さのハードルがあがってきてしまいますね。2017/02/11
いつでも母さん
198
長岡カラーがふんだんに描かれている連作短編8作。町のシンボルのような時計を軸に過去に遡るのだが、どれもどこか懐かしくもあり、そして痛い。棘が刺さったような読後感はこの作家の味だろう。どれも嫌いじゃない。時間が経てば町も変わる。景観を懐かしく思うのは人も又変わっていくからだろうかー輝きはほんの一瞬なのだろうかーそこに暮らしは続くのに・・2017/01/16
ナイスネイチャ
190
図書館本。同じ町で起こった連作短編集。掲載元の年月も前後していたが、何となく繋がりがあるようなないような?「白い修道士」「交点の香り」が良かった。2017/03/12
しんたろー
183
短編の名手・長岡さんの作品群の中で読み逃していた一作…緩く繋がりのある8編は同じ街で違う主人公による様々な物語…年齢層も職業もバラバラで、ミステリ色が濃いものやホッコリできるものなど著者の幅の広さを感じさせる短編集なので、あっと言う間に読めた。「上手いなぁ!」と溜息が出る作品もあれば「う~ん、もう一歩」と思う作品もあって玉石混合といったところ。『傍聞き』『救済』『血縁』がBEST3だと思うが(『教場』はシリーズなので別枠扱い)そこまではいかなくてもソコソコ楽しめる内容で、グロくないので安心して勧められる。2019/06/27
まちゃ
173
大きな時計が目印の時世堂百貨店のある街を舞台にした8編の短編集。抑えられた文章で暗い結末を想像したら真逆の心温まる結末だったり。ラストを想像しながら読むのが楽しい、いい意味で予想を裏切るミステリーでした。2017/03/26