出版社内容情報
中山七里[ナカヤマシチリ]
内容説明
“コレクター(修正者)”と名乗る人物から、埼玉県警のホームページに犯行声明ともとれる謎の書き込みがあった。直後、アイドルが転落死、事故として処理されかけたとき、再び死因に疑問を呈するコレクターの書き込みが。関係者しか知りえない情報が含まれていたことから、捜査一課の刑事・古手川は浦和医大法医学教室に協力を依頼。偏屈だが世界的権威でもある老教授・光崎藤次郎と新米助教の栂野真琴は、司法解剖の末、驚愕の真実を発見する。その後もコレクターの示唆どおり、病死や自殺の中から犯罪死が発見され、県警と法医学教室は大混乱。やがて司法解剖制度自体が揺さぶられ始めるが…。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zero1
526
【面目や体裁より大切なものがある】法医学第二弾。助教になった真琴。県警HPにはコレクターを名乗る挑戦状が。限られた予算内で遺体から真実を見つける光崎たち。【どうやって解剖するか】ということで悩み、時に暴走する(笑)。アイドルの転落死や幼児の熱中症、教祖の焼死では妨害が、老人の急死に責任を感じる少年、婦警の死に隠された謎を解明する。コレクターの正体は予想できなかった。「吊るす」での真琴はベストな選択?公判を維持できるのか疑問。渡瀬が今回は登場し活躍。真琴は古手川と?もう臨床医に戻れない?第三弾はある?2019/12/25
Yunemo
490
目次に沿って、目次の意味を考えて、6編を通すコレクターの思惑が感じられないまま、「暴く」でやっと理解。前作の「誓い」から「憂鬱」へ、これにはどんな意味が?表向きはどこの世界でも同じ、予算に縛られる経済的理由。この点を突いたとんでもない犯罪、こう解釈すればいいのでしょう。捜査も法医学も、事実と論理だけで考え究明する、けっして思惑に惑わされることなく。自身の感覚って、結論ありきでモノを考える構図。何だか漠然とした不安感が増すだけ。そんなことに想いを馳せて読了。警察と法医学教室のコンビ、長編で味わってみたいな。2016/10/09
まちゃ
400
浦和医大法医学教室を舞台にした監察医シリーズ第二弾。捜査一課の刑事・古手川と新米助教の栂野真琴のコンビ。法医学の権威・光崎教授と外国人准教授・キャシーの師弟。2作目でキャラ設定が安定したせいか物語の展開が自然でテンポ良かったです。違和感なくストーリーに集中できました。面白かったです。良質なミステリー作品だと思います。2016/12/18
つるちゃん0719
395
ようやく二作目を入手、一話完結の短編をコレクターという謎の(犯人)人物がひとつの作品として繋ぎます。一話ごとの謎解きも良かった。また、納得感もありました。光埼教授の毒舌が少な目で寂しいですがキャシー先生の妙な論理がたくさんでてきて面白かった。あと、真琴先生と古手川刑事の思わせぶりなオチははたして?2017/08/26
しんたろー
386
改めて言うことでもないが「幅が広ーい!」・・・このシリーズや『静おばあちゃんに おまかせ』のような「ラノベ」的作品、岬シリーズのような「白中山」的作品、『カエル 男』『ヒートアップ』のような「黒中山」的作品、『テミスの剣』や御子柴シリーズのよう な本格社会派など、どれも一級品で才能の高さが計り知れない。本作はミステリが 薄味でも、キャラの面白さと豊かな発想で楽しんだ。真琴、古手川、キャシー、光崎 、渡瀬の5人が生きているようで、彼らの活躍を読むだけで嬉しい。各話の題名が 『ガリレオ』ぽいのだけが頂けない。2017/02/02