内容説明
栂野真琴は浦和医大の研修医。単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのか―。解剖医の矜持と新人研修医の情熱が、隠された真実を導き出す―
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
400
研修医の真琴が法医学教室で教授の光崎と准教授のキャシーに振り回されつつ様々な人々の死と事件に遭遇しながら成長していくお話。なんだか海堂尊さんの作品を思い出させる雰囲気だなあ。主な登場人物として埼玉県警の古手川が出てくるのが嬉しい。けど相変わらず死体の出てくる描写はエグいなあ。とくに臭いとか。2015/12/08
ダイ@2019.11.2~一時休止
360
連作短編集。法医学がテーマですけどグロさは控えめ。面白かったけど最近の中山さんはどんでん返しはなくなったのか?2015/06/02
冴子
297
刑事ドラマで簡単に司法解剖するようだが、案外解剖される遺体の割は少ないとは聞いていた。確かに費用もかかるし、よほど詳しく病気に精通してなければ死因を特定できないのだろう。真琴はまだ医師としては未熟だから、彼女の目を通して事件を見、また彼女の成長の姿が見て取れる。是非続編を、と思ったらでているらしいので、読んでみよう。2016/10/01
barabara
297
試し読みをしてから楽しみにしていた作品。一頃、猫も杓子も法医学、という時代があったが、やはり実地になると人気がないのか。小手川のキャラいいなぁ。演じるとなると…ちょっと情けない風のヒョロヒョロ気味のお調子もん。本人はよく知らないが、関ジャニの丸山なんかがフッと浮かんだ(笑)実際は小説のようにドラマティックではないだろうが、やはりそこは手厚くしてもらわないと、犯罪見逃しに繋がってしまう。しかし三回シャンプーしないと取れない死体の臭い…女子には更に人気がないのはしょうがない…かも…。完2015/06/21
いつでも母さん
294
非常に読みやすい法医学作品。老法医学者の元に単位不足の研修医が入り、数々の解剖により事件を解決に導く。もっと深くもっと重いかと思ったがこれが中山作品なのだろう。面白く一気に読了なのだが、あと一歩!なんだなぁ(とてもの上から目線の自分・・汗)これはシリーズ化されそうな感じがする。続編が出たならばきっと読むね、自分(笑)2015/07/23